不器用なふたり ページ38
.
『へ、?』
まさか出てくると思わなかった名前に驚く。
私がジミン君と知り合いなの、知ってるのかな。
この人にどこまで知られてるのか分からなくて
変に緊張しながらその次の言葉を待つ。
「ジミンの事で心配掛けてないかと思って」
『え』
「あ、別にジミン達が僕に何か言ったとかじゃないから不安にならないでね。僕の勝手な予想」
「僕の勘ってよく当たるから」
公園を囲むように聳える木の葉がさわさわと風に揺れる。低いベンチが彼の背丈に合わないのか、組んでいた足を大きく前に伸ばした。
目に少し掛かった前髪を邪魔くさそうに避けて
大きくて深く暗い目と視線がかち合う。
私の弱さに触れるようなその優しげな表情に、心を委ねてしまいそうになる。
「一番難しい奴だと思うから」
『…』
「周りのことばっかりで、自分のことは話さない。
きっと君やテヒョンといる時があいつにとって一番あいつらしく居られるんだ」
ジミン君は超がいくら付いても足りないくらいお人好しだ。優しくて、甘え上手で、気遣いやすい。
今まで彼は笑顔しか見せなかった。
あの夜、彼が苦しそうに私の手に触れた時の顔を思い出す度に、胸が握り潰されるように痛む。
彼の隣にいる事が、彼の幸せになるのだろうか。
『テヒョンの事で辛かった時も、仕事で忙しいのにいつも傍に居てくれて、凄く大切な友達、です』
「うん」
『大切だから、あんな顔して欲しくない、』
ただの我儘に過ぎない。
二人とも、大切な存在。
「…知ってる?君が思ってるよりも、テヒョンはAちゃんを愛してるよ」
『、』
「昔からずっとそう。僕らでも、君には勝てないんだから」
自分が今どんな顔をしているのか分からないけど、きっと酷い顔をしてるんだと思う。
ジンさんが私の頭を撫であのね、と呟いた。
3008人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ - 月が綺麗ですね。白目剥きました。チェゴ (2022年5月16日 12時) (レス) @page49 id: 79678d8172 (このIDを非表示/違反報告)
おけ(プロフ) - このお話好きすぎて寝ないで一気に読みました‼︎他のお話やおまけもぜひ読みたいです‼︎ (2022年2月13日 4時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - とっても素敵なお話で一気に読み切ってしまいました。。この作品と作者さんのファンになりました(//Ü//)Twitterフォローさせていただきました、おまけもぜひ読ませていただきたいです! (2021年6月28日 18時) (レス) id: e9098fc564 (このIDを非表示/違反報告)
りなぴ(プロフ) - てこさんの描くテヒョンさんが本当に大好きです、とても素敵なお話でした!おまけも楽しみにしております!! (2021年6月22日 8時) (レス) id: 16fceb5abc (このIDを非表示/違反報告)
てこ(プロフ) - hanalieさん» コメントありがとうございます(^^)いくつかお話載せる予定なのでいつでも見に来て下さい♪ (2021年6月21日 0時) (レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年4月6日 0時