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『わ、久しぶり!』
や!と小さく手を上げ破顔したジミン君。
左手に下げた大きなビニール袋が目について、また私に飲ませる気だなと察して笑う。
ジミン君が最後に来たのはいつだっけ?確かテヒョンと再会する前。
カムバ前の体調管理と食事制限、体力作りやら。ストイックな彼は1ヶ月くらい毎日遊ばずに準備してたみたい。
暫く禁酒もしてたらしく
「ずっと飲んでみたかったお酒買っちゃった!」
なんて嬉しそうに足踏みした。
『お仕事お疲れ様』
「ほんとここ数日働きっぱなしだよ、、」
『MV見たよ!かっこよかった』
「あは、嬉しいな」
ジミン君を家の中へ招き入れる。
お酒が飲めるのが余程嬉しいのか、足を弾ませながら廊下を進んでいった。
受け取ったビニール袋を持ってキッチンへ向かう。
わ、重い。いっぱい買ってるじゃん。
中から次々と出てくるおつまみ、高そうなワイン。
そういえば最近グラスを新調したんだよね。使ってみようかな。
「ねえA」
『ん?』
「最近テヒョンと会った?」
『へ、?』
いきなりテヒョンの名前が出てきてどきりとする。
顔を上げるとばちりと目が合った。
『…何で?』
「この部屋、テヒョンの匂いする。気の所為?」
…ただ言ってなかっただけで、隠してた訳じゃないけど。ほんとに、鋭いんだね。
『………見つかっちゃった、っていうか。
たまたま街で会ったの』
「それからよく会ってるの?」
『…ちょくちょく?』
ジミン君に助けてもらいながら一人暮らしまでして逃げておいて、結局テヒョンを拒めなかった。酷く抉られた傷も、テヒョンと一緒に過ごす毎に少しずつ癒えてきて。
「だからか。テヒョン、最近よく笑うようになったんだよね」
『…そ、なんだ』
「仕事終わったら誰よりも早く帰るし
前のテヒョンに戻ったみたい」
『…へえ』
「テヒョンの事やっぱり好き?」
お皿とグラスを持ってジミン君の元へ向かう。
2人分のお酒を注ぐ手が止まった。
…ジミン君にこの質問されたの何回目だろ。
最初から最後まで全部同じ返事しか返してない気がする。私が返事をするよりも先に、ジミン君が口を開いた。
「ねえ。僕にしなよ。」
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ひ - 月が綺麗ですね。白目剥きました。チェゴ (2022年5月16日 12時) (レス) @page49 id: 79678d8172 (このIDを非表示/違反報告)
おけ(プロフ) - このお話好きすぎて寝ないで一気に読みました‼︎他のお話やおまけもぜひ読みたいです‼︎ (2022年2月13日 4時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - とっても素敵なお話で一気に読み切ってしまいました。。この作品と作者さんのファンになりました(//Ü//)Twitterフォローさせていただきました、おまけもぜひ読ませていただきたいです! (2021年6月28日 18時) (レス) id: e9098fc564 (このIDを非表示/違反報告)
りなぴ(プロフ) - てこさんの描くテヒョンさんが本当に大好きです、とても素敵なお話でした!おまけも楽しみにしております!! (2021年6月22日 8時) (レス) id: 16fceb5abc (このIDを非表示/違反報告)
てこ(プロフ) - hanalieさん» コメントありがとうございます(^^)いくつかお話載せる予定なのでいつでも見に来て下さい♪ (2021年6月21日 0時) (レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年4月6日 0時