蜜月 ページ27
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「ねえA、」
『…』
「明日も来ていい?」
『…嫌って言ったら?』
「…行くよ」
ごめんね、と私の頭を撫でる。そう思うなら来ないで欲しい。それが出来ないから私に謝るんだろうけど。
『…ならテヒョンの家行く』
「、いいの?」
『結局会わなきゃいけないなら、掃除しないと』
「…あー、」
『テヒョンが身体壊して私のせいにされたくないから』
「、それは絶対しないよ」
ふわりと眠気に襲われる。もうそろそろ限界だ。
A、と私の名前を呼んで頬を撫でてくるテヒョンに返事する事も出来ず
そんな私に気付いてか「おやすみ」と小さく囁いた。
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____、、目が覚めたのはまぶたの向こうが眩しかったからだ。外から聞こえる小鳥の囀りを背景音楽に身体を起こす。
いつもの流れでスマホを付けると、10時半過ぎを示していた。隣で私の腰に腕を回して眠る熊みたいなテヒョン。
肩を揺らしてみれば
ん、と唸った後私を抱き寄せるように腕に力が入って、身体がよろける。
『ねえ』
「……A?」
『起きてってば』
「…ふ、Aの声する。夢みたい」
寝起きのいいジミン君とは大違いだ。この男は起こすだけでも大変なのに。私に足を掛けて布団へ引きずり込もうとするテヒョンの肩を叩く。
…この癖、いい加減治して欲しい。
『夢じゃないの。早く起きる』
腕から抜け出し朝の準備をする。外を見ればまだ雨が降っていた。太陽が雲から差し込んでいるのに変な天気だ。着替えてメイクに取り掛かっているとやっとテヒョンが身体を起こす。まだ半分寝ているのかゆっくり瞬きしながらぼんやりしてる。
するとテヒョンのスマホから着信音が鳴り出し
大方相手はパンPDさんだろう。
私がいないとテヒョンは中々起きないから一人の時はPDさんがテヒョンを電話で起こすのだ。出る様子のないテヒョンにもう、とため息を吐いて、着信ボタンを押した。
『…もしもし』
「テヒョっ……Aちゃん?!」
『すみません、さっき起きました』
「まだ時間あるから大丈夫だけど…Aちゃんだよね?本当に?」
「Aですよ」
私が答えるよりも先にテヒョンが電話の向こうに聞こえる声で返事した。
久しぶりの私に言いたい事が沢山あるのか、PDのマシンガントークに顔が引き攣る。
「ちょっと、いつまでAと喋ってるんですか」
『テヒョン早く支度して』
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ひ - 月が綺麗ですね。白目剥きました。チェゴ (2022年5月16日 12時) (レス) @page49 id: 79678d8172 (このIDを非表示/違反報告)
おけ(プロフ) - このお話好きすぎて寝ないで一気に読みました‼︎他のお話やおまけもぜひ読みたいです‼︎ (2022年2月13日 4時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - とっても素敵なお話で一気に読み切ってしまいました。。この作品と作者さんのファンになりました(//Ü//)Twitterフォローさせていただきました、おまけもぜひ読ませていただきたいです! (2021年6月28日 18時) (レス) id: e9098fc564 (このIDを非表示/違反報告)
りなぴ(プロフ) - てこさんの描くテヒョンさんが本当に大好きです、とても素敵なお話でした!おまけも楽しみにしております!! (2021年6月22日 8時) (レス) id: 16fceb5abc (このIDを非表示/違反報告)
てこ(プロフ) - hanalieさん» コメントありがとうございます(^^)いくつかお話載せる予定なのでいつでも見に来て下さい♪ (2021年6月21日 0時) (レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年4月6日 0時