46 ページ46
.
うさぎのカチューシャに、長い髪を緩く巻いてポニーテールしてる。可愛らしい顔立ちに似合う桃色ベースのメイクが施されていた。
普段物静かでメイクもあまりしていないミンジュちゃんの文化祭マジックがあまりにも輝いてる。めちゃくちゃ可愛い。
一瞬、視線が先生から私に移されたがすぐに先生に戻る。
その一瞬の眼差しがすごく冷たく感じた。
「…あの、Aちゃんと文化祭回ってます?」
「いや、たまたま会ったから話してた」
「そ、ですか。なら良かった。先生、今時間空いてますか?」
「どしたの?」
「テヒョン先生と文化祭、回りたいなあと思って」
頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑む。
「友達はどうしたの?」
「あー、はぐれちゃって。今体育館で劇やってるんですけど、一緒に行きませんか?」
眉を下げて、上目遣いで見つめるミンジュちゃん。誰が見ても可愛い。お淑やかで女の子っぽくて、誰もが憧れるくらい綺麗だ。
ミンジュちゃんはきっと、先生のこと。
「Aも一緒に行く?」
『あ、いえ。友達待ってるので』
「そっか。じゃあAも午後楽しんでね」
そう言ってミンジュちゃんと歩いていった先生の背中を眺める。
ミンジュちゃんは先生と二人きりで回りたいだろうし、咄嗟に嘘付いた。ジミンも行っちゃったし、さっきジスから午後からの客寄せに呼ばれたって連絡が来ていて、友達と回る予定なんてない。今から他の子の輪に入るのも申し訳ないし気が引ける。
ジスの手伝いに入ろうかなと思ったけど、今は普段通り笑顔でいられる気がしないのだ。
知りたくない。気付きたくない。胸がちくりと痛む。
誰かに向けるあの優しい表情に、どうしてもやもやしてしまうのか。気付いてしまったらもう、後戻り出来なくなりそうで。
気付けば、国語準備室へ歩を進めていた。
私が準備室の片付けを手伝うようになってから床に山積みの本が無くなって、部屋が広くなったように感じる。
扉を開けた途端に紅茶の香りが鼻に掠めた。
さっきの記憶が巡ってくる。
優秀な生徒、それ以上でもそれ以下でもない。
先生が私に望んでるのはそういう生徒像。
じゃあ先生にとって、優秀な生徒ってどんな人?
成績が良くて真面目な人?
世の中の常識から逸脱していない人?
聞き分けが良くて面倒臭くない人?
それとも、先生のことを好きにならない人?
2349人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あみ - 更新頑張ってください!いつまでも待ってます (2021年7月19日 1時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - めちゃくちゃ先が気になります!続き楽しみに待ってます(^^) (2021年6月14日 0時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 今一番楽しみにしているお話がこれです!!! (2021年6月1日 6時) (レス) id: 301fe77181 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!! (2021年5月7日 23時) (レス) id: b7e0ecb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ファイトです! (2021年5月4日 16時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年5月1日 14時