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うん。数ヶ月前の私だったら考えられないくらい。

三白眼の大きな目を細めて四角い口で笑った。
くしゃりと表情が崩れる。



いつも貼り付けたような笑みばかりなのに
二人きりの時に見せる綺麗な笑顔。



みんなが知らない先生を見ている気がして
それを向けられているのは私だけなんじゃないか。






どろりと、心の中が何かに侵食されていく。





もう一度、ゆるりと先生の手が私に伸びた。

丸い眼鏡の奥にうつる黒い瞳。

その目に視線を逸らすなと言われているみたいに動けなくなる。





真っ直ぐ伸びてきた指先が頬に触れかけたところで
ぴたりと止まった。



そこから先は、私と先生の間に透明の膜が張られているかのように。





さっき頭を撫でる時とは違う。

生徒をあやすようなものにするにはどこか不自然で
それからもどかしかった。






『…先生?』

「ん?」







空中で行き場をなくした手が、静かに落ちた。

私をうつしていた目が違う色に変わった。
変わった、というか、戻った。それどころか、冷たい。







『わたし、』

「Aはずっと、俺の優秀な生徒のままでいてね」

『……え、?』

「それ以上でもそれ以下でもないからさ」







…いきなり、何を。

その言葉にどんな意味が。
というか意味なんてあるのかも分からない。

意味があったら尚おかしい。
じゃあ何で言ったの?分かんない。






だけど、距離をつくられた気がした。

生徒。それ以上でもそれ以下でもない。
当然のことだ。その枠から外れた先は何?









…何を期待してたの、私。









『…あの、』

「テヒョン先生!」








私と先生の間を割くように先生を呼ぶ声がして
そこには同じクラスの女の子がいた。




夏休み、一緒に図書室の掃除をした子だ。

…ミンジュちゃん。

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設定タグ:防弾少年団 , BTS , テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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あみ - 更新頑張ってください!いつまでも待ってます (2021年7月19日 1時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - めちゃくちゃ先が気になります!続き楽しみに待ってます(^^) (2021年6月14日 0時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 今一番楽しみにしているお話がこれです!!! (2021年6月1日 6時) (レス) id: 301fe77181 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!! (2021年5月7日 23時) (レス) id: b7e0ecb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ファイトです! (2021年5月4日 16時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/  
作成日時:2021年5月1日 14時

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