検索窓
今日:40 hit、昨日:9 hit、合計:424,685 hit

44 ページ44

.






いつでも適当な先生を薄目で見ると
頬杖をつきながらこちらを見る先生はにこりと微笑んだ。





「Aもいい生徒、だよ」





頭の上に軽く置かれた大きな手。
その小さな体温から微かに温かさを肌に感じる。



いい生徒?私、先生にろくな態度とったことない気がするけど。担任になりたての頃なんて毛嫌いしてたし。

先生にとって「生徒」という枠に入る人たちは
是が非でもみんないい子って認識なのか。






「ねえ、前にも聞いたけどさ」

『はい』

「去年の文化祭、覚えてる?」

『…去年、』

「廊下でぶつかったと思うんだけど。Aと」

『…あぁ』

「なんだ。やっぱり覚えてるんじゃん」







…あ、前聞かれた時知らないふりしたんだった。






「あの時、Aを保健室まで抱っこして連れてったんだよ」

『何で覚えてるんですか』

「覚えるでしょ。ぶつかった生徒のお世話してあんな嫌われたら」







…そうだっけ。

確かあの日、トイレ出てから友達が待ってる店まで走ってた時に廊下の曲がり角で思いっきりぶつかったんだ。

ぶつかった衝撃で尻もちついて、先生が保健室まで運んでくれて。







「ごめん大丈夫、?痛いとこは?」

『…腰、』

「保冷剤と湿布持ってくるから待ってて」







保健室の先生が他の担当に行ってたのか急用で居なくて
代わりに先生が手当してくれる事になった。


私の学年の担当はしてなかったけど学校で有名な先生のひとりだったから顔くらいは集会とかで見た事あった。


手先とか不器用そうに見えて私に触れる手が
凄く優しかったことは覚えてる。




あの日から今まで、先生にいい顔した事なんて一度もない。



"いい子"には程遠い。








『いい生徒、ですか』

「うん、いい生徒。」

『テヒョン先生も案外いい先生でした』

「ほんと?Aにそう思ってもらえたなら嬉しいよ」

45→←43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (585 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2349人がお気に入り
設定タグ:防弾少年団 , BTS , テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あみ - 更新頑張ってください!いつまでも待ってます (2021年7月19日 1時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - めちゃくちゃ先が気になります!続き楽しみに待ってます(^^) (2021年6月14日 0時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 今一番楽しみにしているお話がこれです!!! (2021年6月1日 6時) (レス) id: 301fe77181 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!! (2021年5月7日 23時) (レス) id: b7e0ecb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ファイトです! (2021年5月4日 16時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/  
作成日時:2021年5月1日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。