【TH】先生、嫌いです (ページ43)

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『え。なんで？』

「なんでも」

言われたらどうしようもできない一言を食らわされてしまった。

じゃ、とそれだけ言って微笑んだジミンは
クラスメイトの子と一緒に走って行く。

話が噛み合ってないのか、単純に私が馬鹿なのか。

なんでそんな事を言ったのかよく分からないまま
ジミンの後ろ姿を一瞥する。

「ジミンってAのことすごい好きだよね」

『まあ…幼馴染なので』

「たのもしい幼馴染じゃん」

…これってたのもしいの？

昔からジミンが私のことを気にかけくれてるのは分かってるけど、。

ジミンは私の周りにいる異性を毛嫌いする。

私にとって仲良い男友達で、皆すごくいい人なのに
「だめ」とジミンに引き剥がされてしまうのだ。

『悪い子じゃないよ』

「知らない」

『ジミンとも仲良くなれそうだよ』

「いらない」

興味無いとか、そういう事じゃない、とか。

ジミンって本当に気遣い上手で甘えん坊で紳士で優しいけど
それは誰にでもじゃなくて、好きになった人にしか見せない。

心を開いた人にはとことん尽くして
たまにきつめの独占欲出してくる。

好きの裏側は無関心というかとにかくその差が激しい。

長椅子の端に寄って人ひとり座れる空間を作った先生。

「座る？」と手で隣に誘導され、そこに腰を下ろした。

「さっき俺、めちゃくちゃ睨まれたんだけど？」

くすくすと笑ってる先生に苦笑いを返す。

ジミンって今反抗期？先生のこと嫌いなの？

そういえば夏休み前にユンギ先生と店で会った時も嫌そうな顔してたな、とあの日の記憶を頭の中に浮かばせる。

裏がどうであれ、ユンギ先生もテヒョン先生も
男女ともに愛されるタイプの先生なのに。

『反抗期ですかね』

「反抗期って高校生もあるもんなの」

『…先生養護教諭の免許持ってるんですよね？』

「皆いい子ばっかりだから勝手にないと思ってた」

いや色々とアバウトすぎでしょ。