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無事期末テストを終えて成績表が配られた夏休み前日。
テヒョン先生から受け取った紙を見て喜ぶ人もいれば、ジスみたいに苦い顔をする人もさまざま。
ジミンは今回成績が上がったらしく、私を見て屈託のない笑みでガッツポーズした。
「聞いて、100位入った!」
『わ、だいぶ上がったね』
「Aは?」
今回私はかなり満足している。
聞いて驚けジミンよ。と言いたいところだけど何となくこんな自慢をするのは気恥しい。遂に、1桁代に入ったのだ。
受験勉強のおかげか現代文と古典の成績が思ったよりも良くて、他の教科も私の中では高得点。
夏休み補習メンバーを発表され、騒がしい教室。
去年補習メンバーだったジミンも今回は免れたみたい。ジスは既に机に突っ伏して動かなくなっていた。
「……毎日ジョングク先生の顔拝めるわ」
『…頑張ってジス!』
4限が終わる20分前。
教卓の前で生徒に囲まれているテヒョン先生が「あ、お願いがあるんだけど」と大きめの声を出した。
「夏休み、誰か図書室の片付け手伝いに来て欲しいんだけど」
「え、先生もいる?」
「担当教員になったからね」
その瞬間、どわっと手が上がる。
「あー、いや、補習メンバー以外の人ね」
その瞬間、先生と目が合った。気がした。
反射的に逸らそうした矢先、その視線はすぐ遠くへ逸らされる。
……課題もあるし勉強もあるし、友達ともいくつか予定入れてるし。後、隣町に新しく出来た本屋にも通いたい。あと、、……
「てことでA、よろしくね」
…いや、何でこうなった。
いいなあ、と残念そうな顔で拍手するクラスメイトと、私に向けてにこりと微笑むテヒョン先生。
その笑顔になんかむかついて睨み返すと先生は面白そうにぶ、と小さく吹き出した。
結局補習メンバー以外の全員でくじ引きになり、私はまさかのハズレを引いてしまったのだ。と、女の子がもう1人。
夏休みの感情の昂りが前日に全てへし折られてしまった。最悪としか言えない。
「…ドンマイA」
『……夏休み絶対遊んでね』
ジミンに憐れんだ表情を向けられ、ショックと諦めに身を包まれたまま、高校生活最後の夏休みが始まった。
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あみ - 更新頑張ってください!いつまでも待ってます (2021年7月19日 1時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - めちゃくちゃ先が気になります!続き楽しみに待ってます(^^) (2021年6月14日 0時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 今一番楽しみにしているお話がこれです!!! (2021年6月1日 6時) (レス) id: 301fe77181 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!! (2021年5月7日 23時) (レス) id: b7e0ecb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ファイトです! (2021年5月4日 16時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年5月1日 14時