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「で、順調に出来てんのか」
『…ん〜、割と?』
「テヒョンに教えて貰ってんだろ?」
『そうですね』
現代文の授業でも思うけど、テヒョン先生は登場人物の細かな心境の読み取り方がとても綺麗で
私は結構好きだったりする。
簡単に読み取れる所からもう一歩奥へ介入して考察する所とか、言葉にするのはちょっと難しいけど。
分かりやすいし、先生のおかげで古文の過去問の点数が少しずつ上がってきた。
暫くユンギ先生に教えてもらい、気付けば最終下校ギリギリで。いつもみたいに時間過ぎたりしなかったからまだ良かった。
『ありがとうございました』
「おう」
時間は過ぎなかったものの先生はまた送ると言って、自分の荷物を取りに職員室へ行ってしまった。
私も教科書を鞄に入れて準備室から出る。最近は日が長いから19時でもまだ外は暗くないのに。先生って意外と心配性?
するといきなり背中の方から
「え、A?」と誰かの声が聞こえた。
「何でこんな時間まで居るの?」
まさか人に出くわすとは思ってなくてびくっと肩が上がる。
そこに居たのはテヒョン先生で、不思議そうに首を傾げて私が出てきた教室を見た。
「ユンギヒョン?」
『はい。古文教えて貰ってて』
ふうん。と返事が返ってきた後、先生は私の手元を指さす。
「それユンギヒョンの本だ」
そういえば先生も貰ったんだっけ。
頷くと立て続けに質問が来る。
「ヒョンと仲良いの?」
『…別に仲良くはないですけど』
仲良いもクソもないでしょ、友達じゃないんだから。職員室の前まで来て先生と軽く話しているとユンギ先生が職員室から出てきた。
「、おぉ、テヒョンか」
「もう帰るんですか?」
車のキーを片手に「A送って帰る」と言った先生。
「ヒョン、俺が送りますよ」
『は?』
「俺Aの担任ですし」
それにヒョン今日も徹夜でしょ?
そう言ってテヒョン先生は自分の目の下を指差す。
「そうか、じゃあ頼むわ」
『え』
勉強頑張れよ、と私に手を振ったユンギ先生。
え、待って。
突然のことで戸惑っていれば
「早く行くよ」
テヒョン先生が先に歩き始めて、慌てて背中を追いかけた。
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あみ - 更新頑張ってください!いつまでも待ってます (2021年7月19日 1時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - めちゃくちゃ先が気になります!続き楽しみに待ってます(^^) (2021年6月14日 0時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 今一番楽しみにしているお話がこれです!!! (2021年6月1日 6時) (レス) id: 301fe77181 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!! (2021年5月7日 23時) (レス) id: b7e0ecb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ファイトです! (2021年5月4日 16時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年5月1日 14時