【TH】先生、嫌いです

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そんな情報覚えてるわけない。

先生に興味ないんだから。






「勉強熱心な子」


『…はぁ、』









そんな事言ってたっけ。

そういえば始業式初日にそんな話をしていたような気もする。








「と、おれに興味ない子、ね」


『…だから何、』






あ、しまった。

続きを探るようなこと言わなきゃ良かった。と後悔してすぐ。









「Aのこと、結構好きだよ」









国語準備室の中に微かに流れる、ほんのりと甘さを含んだ煙草の臭い。

ツンと鼻の奥を刺激する。

…やっぱり、この臭いは苦手だ。







『…からかわないでください』


「からかってるように見えた？」


『そうにしか見えません』





「じゃあ本気だったら？」









…じゃあってそんなの、無理に決まってる。

私がこの人を苦手なのに変わりはない。





なんでこんな面倒なことになるのか頭を抱える。

私が先生に色目を使わなくて面倒臭くないからお気に入りなのか、それ以外か。



その選択すらも委ねられてる気がして余計に気に食わない。







どっちにせよ嫌だけど、出来るならば前者がいいと願って
あえて自分に都合のいい考え方をした。









『…私先生のこと好きです』


「…いきなりどうしたの？」


『がっつり恋愛対象で見てます。
だからやめた方が良いですよ』


「そんな死んだ目で言われても」








自分で言ってて気持ち悪い。

でもこれが一番手っ取り早いと思って。

顔に出ていたのか、先生は嘘だと分かりきっているらしく片方の口角を上げるだけだった。







『お気に入りとか、面倒です』


「…」






きっぱりとそう言い切れば、





「…Aが俺に気がなくて楽だから気に入ってるとかではないよ」

先生は不服そうに眉を顰めた。

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