【TH】先生、嫌いです

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放課後、ワクワクした様子でテヒョン先生の準備室へ行ったジスと別れて

私はユンギ先生がいる古文の教室へ向かった。







『先生、イAです』







コンコン、とノックして扉の向こうへ声を掛けるけど返事がない。



耳を当ててみても中からは物音ひとつせず

仕方なく『先生、入りますよ？』と扉を開ける。







中には椅子の背もたれに体重を預けて
腕を組んだまま寝ているユンギ先生がいた。






…これは起こさない方がいいのかな。




一瞬悩んだけど

寝顔がかっこよくて起こせませんでした…

なんて可愛い事言うような女ではないので普通に叩き起こす。









「っ、び、くりした」


『おはようございます』


「…お前、もっと他に起こし方あるだろ」


『知らないです』







いやそうな顔をして椅子に座り直した先生の前に腰掛ける。







「あー、新作の話な」


『そうです！今回のストーリー、凄くなかったですか？』


「あの人にしては綺麗な終わり方だったな」


『でしょ？今回は後味悪い結末じゃなかったですね』








人気小説家のウンジン先生が出した新作『カプリ島の夜明け』。





前作も前々作も主人公が胸糞悪く最期を迎えた程バッドエンドが好きな先生で

読み終えた後のスッキリしなさに好き嫌いがかなり別れる小説家で有名なんだけど、私はそれが癖になっていたりする。









ユンギ先生も闇落ちを好む人なので

この人の小説に対する考察とか見解が私とよく合うのだ。






今回の話は主人公が最後の最後で幸せを取り戻すというハッピーエンド。


それでも幸せを掴むには主人公が失った代償がかなり大きかった。

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