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無事入学 ページ2

これ、どうやって喋るんだろ






家が近いという理由で田舎の県立高に無事入学した私は先生の自己紹介も聞かず一番後ろの席で悩んでいた。




隣には可愛いけど結構怖そうな茶髪の女の子が座っている。




クラスのメンバーを見るとスクールカーストがあるならば間違いなくこの子は上位だろう。




オタクで過ごした暗黒の中学時代と同じような高校生活から逃れるべく、私はその子に話しかけることだけを考えていた。



なぜそんなにも気にするのか、


中学時代は特にいじめにもあったことはないしはぶかれたこともないしいい友達にも恵まれたし性格が特別暗かった訳でも楽しくなかった訳でもない。だが、カースト上位の子達が恋愛しているのを見て私はとても羨ましく感じていたのだ。



しかし、当時小太りオタクだった私にとって恋愛は雲の上いや、宇宙の上の言葉。







中学卒業と同時に私は高校デビューを誓ったのだった。




そんな昔のことを掘り起こしている間に先生の自己紹介が終わり、高校生活最初の休み時間がやってきた。





私は勇気を振り絞りあの子に声をかけた。




A「あの、隣の席だね、よろしくね!」


「あ、うん、よろしく!」


そうだよね、そうゆう返事がくるよね。


この後会話はどう進めていけばいいだろう。
自己紹介かな?でも自己紹介ってどうやるんだっけ好きな食べ物とか言うんだっけてか

「私鈴木りん」

考えているうちに相手から自己紹介してくれた。よかったー。

「あ、えと、私浦島A」


りん「へー浦島って言うんだ。浦島太郎じゃん!おもしろ!」


出ました。もう何十回も言われた。浦島太郎。言われるのめっちゃ嫌って事じゃないけどどう反応していいかわかんないんだよー。

りん「浦島太郎、太郎、たろ、、、じゃあたろって呼ぶわ!」



え、凄い勢いあるなこの人。さすが上位。私もこのノリについていかないとこの先やっていけないんだろな。


「たろ?おっけーてかそんなあだ名つけられたの初めてだわ」


笑いながら返事をした。やっと素をだせたなと安心していると


りん「ね、さっきもらった部活動の入部届さ、どうする?」



入部届なんかもらったっけ。考えごとしててそれどころじゃなかったわ。







この学校は部活動に力を入れており、生徒は必ずどこかの部活に入部しなければいけないのだ。

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作者名:おさるまる | 作成日時:2019年1月16日 21時

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