当たらない砕けない ページ3
そうこうしているうちに試合も終わり、さてどうしたもんかと頭を抱える。
ふうか)いや、そこは話しかけに行けよ。
涼)向こうが私を覚えてる保証もないのにか？！
ふうか)初恋をそんなちっぽけな悩みで終わらせるんか。
涼)ちっぽけじゃないもん…
そうこうしていたら、例の「ゆういち」さんが外に出て行ってしまった。
涼)あぁ…！
ふうか)あの人はトイレついでに飲み物買いに行った。自販機は外出て右行って左側。
涼)なんでそんなことわかるの？！
ふうか)本人が仲間にそう言ってたのが聞こえただけ。はよいけ。
涼)神様 仏様 女神様 ふうか様！！！
ふうか)彼女いないといいね。
恩に着るぜと走り出した私の後ろから、何やら不吉な言葉が聞こえた気がしたが気にしないことにしておこう。
言われた通りに行けば、ちょうど自販機の前で財布を覗いている「ゆういち」さんと鉢合わせた。
まぁ、鉢合わせるも何も追っかけて来たのだけど。
ゆういち)…買うもの決まってるならお先にどうぞ？
涼)ぁ、えっと、違くて…
なにから喋ればいいんだ…？！
ゆういち)……どこかでお会いしたことありますか？
涼)？！は、はい！！昔に！その…迷子になったときに！！
嘘。
うそうそうそ！！！
ゆういち)あぁ！！あの時の迷子の子…え？！嘘？！まじで？！？！
涼)ほんとです！！あの後泣きつかれて寝てしまって、その、お礼言えなかったから…！
覚えててくれた…！
ゆういち)へぇ〜…まじかぁ…え〜…でっかくなったねぇ…
涼)まだ全然ちびですけど、あの時よりはでっかくなりました。
ゆういち)そっかぁ…もう迷子にならない？(笑)
涼)な、なりませんよ！！
ゆういち)でも今日は地図読めなかったんでしょ？(笑)
涼)な、ぜそれを？！
「お友達と話してたでしょ」と笑うゆういちさん。
え、聞いてたの？
ゆういち)ゆたと話してたんだよね、見たことある子が来たねって。
涼)その方にも大変ご迷惑を…
ゆういち)ゆたのことも覚えててくれたんだ(笑)
ひえ…笑ったお顔がかっこいい…
ゆういち)あ、そうだ、お名前なんて言うの？
涼)す、涼(すずか)です！三岳(みたけ)涼。
ゆういち)すーちゃんね。自分は廣邊 優一(ひろべ ゆういち)って言います。
涼)よろしくお願いします…！
優一)じゃあせっかくだし電話番号教えてよ。
涼)はい…！
口頭で伝えると、即座に着信が入る。
涼)ちなみに彼女さんは…
優一)いるよ？
ふぐぇぁ…
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作者名：ゆぅちゃむ。 | 作成日時：2021年11月23日 20時
