とある初恋のお話 ページ1
三岳(みたけ)家の長女であり第一子として産まれた私。
７つ下に弟の４人家族。
運命的な出会いは６歳の時。
母に連れられて出かけた先で、ものの見事に迷子になってしまった。
慣れない人の多さに、母の手を離してしまって人混みに飲まれ、気づけば見覚えのない場所へ。
どこを探しても母の姿は見当たらなく、名前を呼んでも返事もない。
心細さから不安に押しつぶされそうだった時、声をかけてくれた人がいた。
今でも一言一句覚えてる。
？？)どした〜。
？？)迷子なんじゃね？
？？)なんだ〜お母さんとはぐれたのか！
2人の男の人、２人共声がすごく優しくて、安心して泣き出してしまった。
大泣きして泣き疲れてしまった私を抱きかかえて、子供を探し回っている人を探し、
母を見つけてくれたのだと、後に聞いた。
涼)だからその時の人が初恋だネ。
？？)いや年上かよ。
学校のお昼休み。
中学一年生になった私は、お弁当を食べながら友人との恋バナに花を咲かせていた。
涼)年上良いじゃん！かっこいいじゃん！！
？？)いや、向こうのことを考えたら、あんまりアタックできなくねーか。
涼)そこを言われると何とも言えんのよ…
母の見立てでも『貴方と最低でも１０は離れてるわね。』とか言われたし。
もはや犯罪の域ってやつか…と、横でしみじみと呟かれた。
涼)いやそういうアンタは好きな人って誰よ。
？？)私？私はバスケ部の木村先輩❤
涼)年上じゃん！！
？？)アンタの年上とは訳が違うわい！！
そんな会話をするこの友達は、小学校からの大親友、西井野(にしいの)ふうか。
割と何でも話せる関係なので、よく遊ぶし、いろんな話もする。
ふうか)やっぱりゆくゆくは結婚とか？
涼)ん〜…いや、結婚はホラ…【人生の墓場】っていうじゃん…
ふうか)すっごいオッサンみたいなこと言うじゃん…
うるさいな。と悪態をついたところで、昼休み終了のチャイムが鳴った。
ふうか)結局、土曜日のバスケは見に来るの？
涼)ふぅのお兄ちゃんが出るやつだっけ？
ふうか)そう。チームのバスケの練習試合。近くでやるから。
ふうかのお兄ちゃんも私たちと同じでバスケをやっているので、
それの見学に行かせてもらおうか、という話になっていたのだ。
お兄ちゃんとはずーっと仲良くさせてもらっている。
涼)もちろん、行くよ〜
ふうか)おっけ〜
そうして私たちは、教室へと走り出した。
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作者名：ゆぅちゃむ。 | 作成日時：2021年11月23日 20時
