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Side,探鉱者
ホットミルクを作ってくれた♀は
僕の新しい飼い主だ。
彼女そんな風に呼ばれたくないらしいから
呼ばないけど。
僕はまた屋敷の中を徘徊していたみたいだ。
庭の外へ出て
花を食べられるのか確認していた記憶まではある。
次の記憶は普段は飲まないようなお酒を飲んだ直後。
知りたくもない記憶や
長すぎる一日を過ごしたくないとき。
決まって僕の記憶は朧気になる。
子どもの頃に戻りたいのは決まって夜。
体から傷の後が消えても
心に残ったドロドロとしたものは消えない。
「♀さん、夜は好き？」
『んー、皆が寝ていたから好きです。ノートンさんは』
「僕は嫌いだ。誰も寝ていなかったから
……起きると怒られるんだ、逃げるつもりかって。
いつ目覚めても、誰かが起きてこちらを見ているんだ」
僕は自分で開いた口が閉じられなくなった。
2人きりでいるには静かすぎる夜。
ホットミルクを片手に♀は話を聞いてくれた。
「あ、♀さんにも覚えがあるんだね。
こんなこと言われるのは嫌だと思うけど正直、
安心してる」
『それは…良かったです』
「腕を肩よりも上にあげられたら身構えちゃうよね。
でも僕は殴られるのより蹴られる方が嫌いだったな」
靴底がお腹にハマるんだ、といって笑ったら
彼女は悲しそうな顔で笑った。
『ノートンさんはどこで働いたときが幸せでしたか』
「うーん……幸せが何か分からないから……。
でも、石を掘る仕事はワクワクしたな。
宝石がキラキラ光って」
『宝石かぁ……うちにもあって、私も憧れでした。
でもきっと、原石はもっと綺麗なんでしょうね』
彼女は絶対に僕らに対して「辛かった記憶は」と聞かない。
ナワーブも酷い目にあってた。
身体的な面では彼が一番。
イソップも酷い目にあってた。
心理的な面では彼が一番。
でも……
僕だってつらかったんだ。
ひとしきり喋った後に僕は聞いた。
「♀さん、なんで僕らを買ってくれたの？」
『……』
♀は真っ赤な目を開いて
少し考えた。
『ノートンさん風に言うなら…
…綺麗な宝石を見つけたから、ですかね？』
「なにそれ」
『えへへ、
欲しいものなんて持っちゃいけなかったから』
彼女は悪いことかもしれませんが、と前置きして
笑顔を見せた。
『皆さんが欲しくて堪らなくなっちゃったんです』
「……」
嫌なことがあっても
彼女のような子に出会えたことに
今だけは感謝していたい。
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あまね(プロフ) - 完結？！ (10月1日 11時) (
レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ子(プロフ) - 三千幸さん» はい！いや、多分上手だと思います！なんか上からですみません。書いてくれるだけで嬉しいです！ (2020年3月16日 20時) (レス) id: c401cf24f7 (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - キャンディ子さん» OKですよ。マイク君はまだ、本編に出てないので書き慣れてないのですが、大丈夫ですか？ (2020年3月16日 20時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ子(プロフ) - あの、リクエストよろしいでしょうか？マイクくんとの恋愛のお話が見たいのですが……リクエストってこんな感じでいいですか？ (2020年3月16日 20時) (レス) id: c401cf24f7 (このIDを非表示/違反報告)
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