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ノートンさんとナワーブさんと
向かい合わせで
ドーナッツをデコレーションしていく。
「もっ、もっ、もっ、もっ………」
「あ、ナワーブ。ズルい!」
『まだありますから、とりあえず
デコレーションしてください』
ナワーブさんが何もつけていない
ドーナッツを頬張る。
ノートンさんがナワーブさんをつつく。
私は呆れながらも2人にそう言った。
「チョコレート、チョコレート♪」
ノートンさんはチョコレートの絞りを
動かしている。
ふんふん、と鼻歌を歌っている。
こんなに楽しそうなノートンさんは初めて見た。
『ノートンさん、
こっちの”きなこ”も使ってみたらどうですか?』
「きなこ?」
『はい、日本街で買ってみたんです』
私がそう言ってノートンさんの前に出すと
ナワーブさんも覗きこんできた。
スプーンを手に取りドーナッツにかける。
「んだこれ、匂いは……香ばしい?」
「へー、サラサラしてる」
ナワーブさんがドーナッツを頬張った。
「ん!うめめめっ!!
ノートン、これメッチャ美味い!」
「……ホントだ!おいひい!」
リスのように口の中をいっぱいにして
頬張る2人が可愛い。
ふと、ノートンさんが幸せそうな顔で
口を開いた。
「ふー、僕、こんなに美味しいドーナッツ
久しぶりに食べたよ。
♀さん、
一生 僕のためにドーナッツ作ってくれないかな」
とろけるような笑顔でそう続けたノートンさんに
ナワーブさんが軽く頭を叩いた。
「ばぁか、それじゃぁプロポーズだろうが」
プ、プロポーズ……!!?
「えー……。
なら、それでいいよ。僕、♀さんと結婚する」
『な、何言ってるんですか』
私の言葉は聞こえていないのか
2人はドーナッツをデコレーションしながら話を続ける。
「じゃあ、俺も結婚する。
こんなに美味いドーナッツ食えるんなら」
「駄目だよ。
ごはんが美味しいだけで結婚を決めるなんて」
「お前もだろうが」
ナワーブさんはぐっ、とチョコレートの絞りを
動かした。
それから私に向かってドーナッツを見せてきた。
「ほら」
『うわ、可愛い!』
そこにはニッコリ笑顔の顔が描かれたドーナッツがあった。
私が声を上げると
視界の端で口を尖らせたノートンさんが
きなこをまぶし始めた。
そうやってある日のおやつの時間は過ぎていった。
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あまね(プロフ) - 完結?! (10月1日 11時) (レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ子(プロフ) - 三千幸さん» はい!いや、多分上手だと思います!なんか上からですみません。書いてくれるだけで嬉しいです! (2020年3月16日 20時) (レス) id: c401cf24f7 (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - キャンディ子さん» OKですよ。マイク君はまだ、本編に出てないので書き慣れてないのですが、大丈夫ですか? (2020年3月16日 20時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ子(プロフ) - あの、リクエストよろしいでしょうか?マイクくんとの恋愛のお話が見たいのですが……リクエストってこんな感じでいいですか? (2020年3月16日 20時) (レス) id: c401cf24f7 (このIDを非表示/違反報告)
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