紫煙の王様 2 (ページ4)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:36,857 hit

2時34分ページ4

汀side

「あ…」

俺は腕時計を見て声をあげる。場所は公園のベンチ。先程から伏見しんと他愛のない話をしている。俺は持っていた水を横に置き、空を見上げる。

「…さっきから何不審な動きしてんだよ」

「…伏見さん、大変です」

「は…？」

「睡魔が、襲ってきました…」

そう、午後の2時 34分は俺の昼寝時間。いつも決まった時間に寝るのだ。俺が真剣に言うと伏見さんはバカにしたように鼻で笑う。

「ガキか…」

「ガキでいいです…それより、伏見さん…お願いが…」

うとうとしかけながらも俺は伏見さんにお願いする。

「何だ」

「膝枕してください」

「……」

「無言で殴らないでください…あ、もうダメだ…」

俺は伏見さんの了承も取らず勝手に膝に頭を置く。

「おい…男にそんな趣味はねぇ」

「大丈夫、です…」

「何が大丈夫だ、おい」

「俺…誰か、に…膝枕、してもらわない、と…寝れな…」

そして俺はそのまま眠りにつく。