紫煙の王様 2 (ページ11)

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我らの王ページ11

？？？side

「汀さん、最近私達の偽物が現れたらしいですよ」

「偽物…？」

アジトでいつものようにゆったりとしているとシエルが机に乗りながら汀に話す。汀は眉を顰め上体を起こす。ただ事ではないと判断したためだ。他の皆もシエルの話に耳を傾ける。

「ええ、なんでも＜ロザリア＞の名を語ってあちらこちらで喧嘩しかけてるらしいです」

「…相手の情報は？」

「数人で動いているようです。絶対に単独では動かず、数に頼っている奴等かと…」

「卑怯な奴等…自信がないのか…」

「男なら根性で行けよなー」

「SHB(それは一が馬鹿だから)」

「しかし、よりにもよって＜ロザリア＞を語るとは…」

皆が口々に言っていると汀が呟く。

「気に食わないな…」

その一言に皆が一斉に口を閉ざす。汀は不機嫌そうに足を組み虚空を睨んでいる。そこにはいつもの汀は居ない、＜紫の王＞でえる汀しか居なかった。

「何も知らない奴が、俺達のチームを穢してる…実に気に食わない」

「…どうします？キング」

シエルはいつの間にか机から降り、汀の目の前で跪く。他の皆も同じだ。

「王…私達に命令を」

一が妹ではなく、王として汀を見る。

「王様…私達は貴方様の手となり足となり」

瑞木が尊敬と畏敬を込めた瞳で汀を見つめる。

「私達は矛となり盾となります…キング」

シエルが強い眼差しで自身の王を見上げる。

「王様…私達は、いつでも貴方様のために」

藍の目にはもう幼馴染みの汀は居なかった。

「……」

若音も黙っているが瞳は皆に負けず劣らず強い瞳だった。汀はにっと口角を吊り上げ臣下に命を下す。

「そいつらを探し出せ。そして、俺の前に献上しろ」

『全ては我が王／キングのために』

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汀は王になると基本、相手を呼び捨て&タメ口です。

王の時は冷酷で普段の時とは性格が違うため、クランズマン達は複雑な思いでいる。