アイするカノジョ。【呪術廻戦】

＃２ - １ ページ7

悟「っ〜………!!」



悟は、そう簡単には理解できない感情に呑まれていた。

ただ、何故か悔しさだけは鮮明に理解出来ていたため顔を赤らめて腹を立てたようにテーブル席に向かう。

視線を集めるように、わざとらしく音を立ててAの目の前の席に腰を下ろす。


傑「…悟、行儀よくしなさい」


悟「うるっせぇ」
硝「で、何処まで話してたんだっけ？」


傑「はぁ…。今日は一応、私と悟で他のSPや警備員に混じりステージ付近の護衛にあたる。硝子は舞台袖にて公演中は警戒を、彼女が舞台袖に戻ったら必ず彼女と行動を共にするように。」


硝「りょーかい」
悟「……硝子より俺の方が強いんだもん、俺が常にこいつの傍にいれば良くね？」

傑「……悟、また君は我儘を言うのかい」
悟「だってよー」


悟は、この不確定な感情の正体にソワソワしている。
そのせいで、必要以上に彼女の存在を気にしてしまうようだ。それを彼は自覚していない。



『……正直、何から護るとかよく理解していないんですけど悟さん？…がお強いのならステージ付近に居てくれた方が安心します。』



彼女は、あくまで呪術界からしたら【一般人】。
彼ら、高専側の人間に自身が呪術の何たるかを少しばかりでも理解していると悟られてはいけない。

だから、平然と無知を装って言葉を紡ぐ。


(…なるべく、厄介な奴は舞台袖に置きたくないからなぁ)


昨日は、ステージ上から術式を使用した彼女だが
なるべく注意を観客側に向けることで今日の公演では舞台袖から術式を使用できると目論んでいる。



『……お願い出来ますか、悟さん。』



頼むから、頷いてくれ。
少し困りげな眉をして、1番盛れる上目遣いで悟に頼む姿とは裏腹に余りにも可愛げのない心情であった。



悟「……仕方ねぇな」



サングラスから彼の視線は読み取り憎くはあるが、不満ながら承諾してくれたようだ。その様子に、傑と硝子は苦笑いを浮かべる。



傑「…まぁ、何かしらアクションを起こすなら明日が本命だろうから今日は様子見も兼ねてこの配置にしようか。」
悟「…りょーかい」

硝「A、お姉さんのこといっぱい頼りなね」
傑「私のことも、この2人よりは頼りになるからね」
悟「はぁ？俺が1番頼りになるし俺を頼れよな!!真っ先に!!」


彼女は苦笑いを浮かべる。
まるで、小学校高学年のなかに放り込まれた低学年の気分である。






『…とりあえず、軽く自己紹介しませんか？』

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