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悟は、ひたすらに呪いを祓いまくる。
湧き出す水の如く、産まれ続ける負の感情。
祓う数を重ねるごとに、はっきりと自覚するのは【信じたくない確信】。
悟「………A?」
脳裏では、未だ信じたくなんてない。
だが、本能的な部分が確信を得てしまっている。
2人を共通する、その【呪い】。
それが、確信するに値する信じたくない事実。
悟「………そんなワケ、ないだろ」
そう言って、彼は天井からこの阿鼻叫喚を形容する現実を達観する。
おぞましい呪いに覆われた、薄暗いこの会場内。
昨日の、眩いほどの輝きが瞼を閉じればフラッシュバックする。
嗚呼、この見かけだけの世界はやっぱり残酷だ。
悟「…………A。」
悟は、彼女を探しつつ討祓に専念した。
それは、雑念を消し去るように…不安を消し去るように。
悟「…傑、一般人の避難誘導は終わったか?」
傑「ああ。今さっき、完了したと報告があった。」
悟「………なぁ」
傑「悟、それはだめだよ。」
傑は、悟の声色から全てを汲み取った。
この男は、そういう未完成な人間だと知っているから。
傑「信じたくない、そんな全てを消し去ることは君には簡単だろう。でも、時には向き合い、理解し難い現実も信じられない真実も受け入れる努力をすることが必要だとは思わないか?」
悟「……傑、俺はまだ認めてない。」
傑「……そうだね、私もまだ信じてはいないよ。」
悟「……そうか。」
傑「だから、はっきりとこの目で確認しよう。」
悟「______」
傑「おっと、すまないね。どうやら、大物が私を歓迎しているようだ。」
インカム越しに、呆れたような声色で傑は悟との会話を終わらせようと話を逸らす。
そのインカムにノイズが混じり込む。
悟「傑、今どこに……」
傑「大丈夫。」
そう言った直後に、通信が突然途絶えた。
傑は、目の前に対峙する準1級に相当する大型の呪霊。
その容姿は漆黒の雄馬のようで、靡く鬣は呪力を帯びていた。
荒々しい鼻息が、あたり一片の壁さえも空気でめり込んでしまうほどの風圧があり傑は失笑する。
その馬の呪霊の後ろには、見慣れた姿が目を奪う、
彼は、目を見開いて言葉を詰まらせる。
『私の白馬の王子様は、この馬に置いていかれてしまったのかも。』
呑気に、夢を見るように彼女はそう彼に向かって語りかける。
傑は、信じたくなかった事実に突如として頭を殴られた。
『…やっと迎えに来てくれたのかな?王子様』
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エゴ信者。 - しゅーーさん» コメントありがとうございます。私もヴィラン系ヒロイン大好きなので、共感して頂けて嬉しい…!更新頑張ります、読んでくださり本当にありがとうございます。 (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 再度コメントありがとうございます。見続けてくださる事実だけで感無量です。オリジナル編はご認識の通りクライマックスです、少し話の中身の肉付けを考えることに苦悩してますが第1幕、最後まで頑張っていきます! (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 敵側系のヒロイン…マジでほんとに好きです!!!思わず読み込んでしまいました!笑 ここからの展開を楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください🫶 (1月7日 13時) (レス) @page37 id: 818f66b315 (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - エゴ信者。さん» ご返信ありがとうございます!いよいよクライマックス展開ですかね?ダークヒロイン最高です、、パパ黒がどう重要なのか、、更新楽しみにしています! (1月7日 2時) (レス) id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 返信遅くなりました。感想・評価等本当に励みになります。ありがとうございます。パパ黒ですね、この先の展開で大重要人物ですので引き続き見てくださると嬉しいです。頑張ります! (1月5日 8時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エゴ信者。 | 作成日時:2024年1月3日 12時