アイするカノジョ。【呪術廻戦】

＃１ - ２ ページ4

悟「で？なんで芸能人の護衛なんすか？」


夜「……そうか、貴様はメディア関係には疎いんだったな」
悟「はぁ？疎くねーし」
傑「悟。この世界に身を置くなら、ある程度の情報は事前に得ていることが大切だよ」
硝「私ですら知ってるからな〜お坊ちゃま」


悟「はいはい、お小言はよろしいのでお話を続けてくださいましー」


見るからに不機嫌となってしまった悟は、机の上に荒っぽく音を立てて自身の長い足を行儀悪く置いた。
彼の子供っぽさには、目に余るものがあり夜蛾は度々頭を抱えている。


夜「……もしもの為に用意しておいた、彼女が芸能界に現れたの時の録画でも見せようか」


そうして、用意してあったDVDを再生する。
その録画を見て、生徒達3人は体を強ばらせて身構えた。



『最終的な目標ですか？勿論、世界征服です。』



何故か…画面越しから肌に伝わってくる規格外、暴力的なまでの呪力。

これは、リアルタイムではない。


だが、未だに彼女の映る画面には恐ろしい程の呪いを感じ取れるのだ。


悟「……なにこれ、こんなの野放しにしてんのかよ？」


夜「……当時の呪術界は彼女の処遇についてかなり揉めていた。だが、結論からすれば彼女は一般人にあたる。そして、芸能人であることから我々だけの判断では要注意人物として対応を見送る他無かった。」


そう、彼女は世間的には『新人アイドルという芸能人』。

呪術界は術式を持たない多くの人類のための平和を守るために日々暗躍し、ひっそりと存在している。


悟「…あんな馬鹿みてぇな呪力で、呪霊に狙われるケースは無かったのかよ」

夜「彼女の側近として、呪術界側から窓や呪術師を幾らか送り込んではいるが幸いにもそのような報告は受けてはいない。」
悟「……ふーん」


傑「…けれど、昨日の呪霊大量発生事件が発端となり彼女の身の安全のために私たち呪術師で近辺を固める、という対応になったわけですか。」



何故、呪力量が多いだけの彼女が護衛対象となるのか？

答えは簡単、呪霊による食殺を防ぐため。
彼女の膨大な呪力を取り込むことにより、野良の呪霊強化を防ぐためである。


硝「質問なんですけどぉ、なんで私たちなんですか？」


硝子の純粋な疑問は正しかった。
そんな危険な案件を、呪術師としての実力は1目置かれているがまだ成人にも満たない、礼儀など微塵も無いような学生達が受けるべきではない。




夜「…………対象からの要望だ」





どうやら、不本意のようである。

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