＃５ - ３ ページ25
恐怖を超えて、彼女には逆に腹立たしさがふつふつと生まれてきていた。
声を荒らげて、抱き寄せる彼の顔を睨みつける。
その表情は、あまりに死んでいた。
眩い程の瞳ですら、今は霞みがかっている。
『……っ』
今は、どうすれば正解なのか。
このまま、一般人として逃げ切るべきなのか。
はたまた、全てをバラして明日を迎えるべきなのか。
考えあぐねる長い一瞬の間。
その時、脳裏に過ぎったのは…平手打ちの一択だった。
悟「…………は？」
爽快な音だけが、この状況を打破する突破口だと思った。
また、久しぶりに目を見開く彼を見た。
『お寝坊さんは終わりですよー。』
さっさと、"現実"を受け止めろよ。
そう言わんばかりに、彼女ははにかんで見せる。
悟「…A」
『夢見てたのか何なのか知らないですけど、うちのあっくんに迷惑かけないでくださいねー。』
悟「………ぁ」
『あと、私はこう見えて強いですからね。』
そう、秘密を打ち明けるかのように囁いて言ってみせた。
彼女のこの言葉に、何も嘘などない。
彼女の笑顔だけが、嘘である。
悟「……悪い、めちゃくちゃ動揺してた」
『謝る相手を間違えてますよ。』
悟「………ああ、悪い。」
重い足取りで、彼は反省した姿を見せる。
その背中を思いっきり叩く。
『反省してるならもっと反省した姿を見せろ!!』
悟「…はい。」
『誠心誠意込めるんですよー』
いつものふざける気力も無く、ただ少しばかり元気づけられた…そんな風に困ったように彼は笑みを見せる。
まさか、番狂わせ呪霊特攻がこうも五条悟に効果があったとは…。
彼女は、やはり感情のまま行動するのは愚かなのだと改めて反省し心に刻む。
しかし、彼女とて未だ人間。
この過ちは、死後呪霊に転生しない限りは直ることはないのだろう。
(…つーか、明日はあれと対峙することになるのかぁ)
遠くから、仲間の和に入り許しをこう彼の姿を見つめていた。
その姿は、やはりAとは異なる存在であることを実感させる。
(………やっぱり、似てると思ってたんだなぁ。私と彼。)
魂の波長、それが上手く絡み合うのだろう。
そんな事、ただの感覚に過ぎない絵空事のような話ではあるのだけれど。
全てを受け入れてくれる、そんな恵まれた仲間。
彼女が、心から欲している存在。
彼らの光景があまりにも眩しすぎて、
彼女は伸ばしかけた手を抑え込んでは、直視出来ずに俯いた。
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エゴ信者。 - しゅーーさん» コメントありがとうございます。私もヴィラン系ヒロイン大好きなので、共感して頂けて嬉しい…！更新頑張ります、読んでくださり本当にありがとうございます。 (1月7日 18時) (
レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 再度コメントありがとうございます。見続けてくださる事実だけで感無量です。オリジナル編はご認識の通りクライマックスです、少し話の中身の肉付けを考えることに苦悩してますが第1幕、最後まで頑張っていきます！ (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 敵側系のヒロイン…マジでほんとに好きです！！！思わず読み込んでしまいました！笑 ここからの展開を楽しみにしてます！！これからも更新頑張ってください🫶 (1月7日 13時) (レス) @page37 id: 818f66b315 (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - エゴ信者。さん» ご返信ありがとうございます！いよいよクライマックス展開ですかね？ダークヒロイン最高です、、パパ黒がどう重要なのか、、更新楽しみにしています！ (1月7日 2時) (レス) id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 返信遅くなりました。感想・評価等本当に励みになります。ありがとうございます。パパ黒ですね、この先の展開で大重要人物ですので引き続き見てくださると嬉しいです。頑張ります！ (1月5日 8時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エゴ信者。 | 作成日時：2024年1月3日 12時
