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物凄い足音が勢いよく近づいて来ている。
その呪力から、『アイドル』を取り繕う。
悟「…っA!?」
その様子は、どうやら普通では無いみたいだ。
彼が発するAを呼ぶ声は、
焦燥を帯びているようで彼女は喜びを隠せなく、今にも小躍りしてしまいそうだった。
『…あ、悟くん。おつか』
「お疲れ様」も言わせて貰えない速さで、彼と視線がかち合った瞬間にAの身体は温もりに包まれていた。
『……………は?』
それは、仮定していた予想をも軽く超える速さだった。
呪術師としての彼の力量を見誤っていたのかもしれない。
静かに、緊張感が彼女の体内を駆け巡る。
悟「…大丈夫か?呪霊に襲われてないか?」
その声は何だか囁くような…
いや、余りにも弱々しくて
ゆっくりと彼女の存在を確かめるように言葉を紡いでいる。
悟「…呪霊から微かにお前と同じ呪力を感じた。」
その言葉で理解した、Aが喰われたのかと思ったのだろう。彼女を抱きしめる力が、言葉を紡ぐと共に増してきている気がした。
『…悟くん?』
悟「…お前が喰われたのかと思った。でも、微量の似た呪力を感じただけだからそこまで確信は無かった。だけど、俺が思っている以上に不安だったのかもしれない。」
気のせいではない。
彼が静かに、饒舌に言葉を紡ぐにつれて彼女を抱き締める力が増してきている。
彼が握る、彼女の細い腕。
その腕に、爪が食いこんでしまう勢いでジワジワと痛みが広がっていく。
(…まさか、私の正体に気づいた?いや、こいつの性格上、こんな回りくどいやり方はしないはず。)
爪が肌に侵入する感覚が、彼女の身体に危険を知らせる。
だが、恐ろしい彼の【存在感】に彼女は為す術が無いまま身を委ねる。
正しくは、初めて感じるこの"恐怖"に身動き出来ずにいた。
そんな彼女の事などお構い無しに、彼はただ【感情】を一方的に押し付け始める。
悟「俺、お前がいなくなるのが無理みたいだ。お前の呪力が呪霊から感じただけで、今でも怒りが収まらない。お前が傷つけられたってだけでも世界を壊してしまいそうだ。どうしちまったんだろうな、なんなんだろうな。こんな感情、今まで誰も教えてくれなかった。」
____嗚呼、可哀想。
今の彼は、ひとつの感情に支配されている。
このままでは、彼は彼女に【お呪い(おまじない)】をかけてしまうかもしれない。
『さ、悟くん……!!』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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革ベルト
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あずきいろ
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エゴ信者。 - しゅーーさん» コメントありがとうございます。私もヴィラン系ヒロイン大好きなので、共感して頂けて嬉しい…!更新頑張ります、読んでくださり本当にありがとうございます。 (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 再度コメントありがとうございます。見続けてくださる事実だけで感無量です。オリジナル編はご認識の通りクライマックスです、少し話の中身の肉付けを考えることに苦悩してますが第1幕、最後まで頑張っていきます! (1月7日 18時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 敵側系のヒロイン…マジでほんとに好きです!!!思わず読み込んでしまいました!笑 ここからの展開を楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください🫶 (1月7日 13時) (レス) @page37 id: 818f66b315 (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - エゴ信者。さん» ご返信ありがとうございます!いよいよクライマックス展開ですかね?ダークヒロイン最高です、、パパ黒がどう重要なのか、、更新楽しみにしています! (1月7日 2時) (レス) id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 返信遅くなりました。感想・評価等本当に励みになります。ありがとうございます。パパ黒ですね、この先の展開で大重要人物ですので引き続き見てくださると嬉しいです。頑張ります! (1月5日 8時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エゴ信者。 | 作成日時:2024年1月3日 12時