アイするカノジョ。【呪術廻戦】

＃４ - ３ ページ19

傑「悟ぅ、何か言うことがあるんじゃないか？」


悟「あー、空中浮遊使って呪霊祓いながら会場内見て回ったから、見つけたかもしんねぇ。」
傑「謝罪の言葉くらい述べたらどうだ…まったく。」
悟「はいはい、めんごめんごー。ほら、案内するからついてこいよ。」
傑「…わかったよ。これを外したらどうしてくれようかな。」


悟「ははっ、確信はねぇから大目に見てくんね？」



2人は、疑わしいその場に足を急がせる。
そんな中…ライブは、中盤に差し掛かっていた。



____舞台袖


『ふぅ……』


ひと段落、その意味合いを込めて息を吐く。
今のところ、主犯格が自分ではないかと悟られている様子も無ければ怪しまれてもいないようだ。

その安堵の意味も込められていたのだろう。

彼女は、安心してペットボトルに差し込んであるストローから水を口の中に含んだ。



(大丈夫。変更した部分はあるけど、今のところは予定通り。)



昨日のように、まるで予定調和の如く。

記憶に残り続けるような
華々しい【オールラスト】に向けて

彼女は今日も歌い、踊り、舞うだけである。


硝「お疲れ様。」
『…お疲れ様。』


硝子から1枚のタオルが手渡された。
彼女からの行動に、やはりまだ警戒を隠せないA。


硝「…変わったこととかはなかった？」
『はい。お陰様でいつも通りに楽しめてるよ』
硝「そ。それなら心配はいらないかな」

『……何か、異常事態発生とか？』
硝「…………あー、Aも見ちゃった感じ？」



硝子は渋々問うてきたAの様子を見て、思い当たる節を脳裏に浮かべて呆れた顔を見せる。

それは、あの問題児のことしかないだろう。



『…なんか、ワイヤーアクションなのかな？なにあれ、悟くん、だと思うんだけど天井席ってゆーかほぼ天井にいた気がしたんだよね…』


恐らく、そういった類の術式で空中浮遊を可能にしているのだと仮定する他無かったため思い切って聞くことにした。

なかなか便利だと思う、ぜひ欲しい。



(やっぱり、呪術界との繋がりを作るべきかもしれないな。)




私の生得術式を、更に深く利用して行く為に____。




硝「あー……………んー……………っとねぇ」



接続的な言葉だけが紡がれていく。

もう思い切って全てを話してしまおうか。
もう思い切って全てを話してしまえ。

お互いの心情が、言い訳の苦しさと面倒くささによって似た方向に傾きつつあった。


期待を含んだ瞳で、硝子を見つめる。

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