アイするカノジョ。【呪術廻戦】

＃４ - １ ページ17

だけど、いつだって平気なふりをしろ。
そうやって生きてきた。大丈夫、私なら今日も上手くやれる。不安がってしまえば、成功の確率が下がってしまう。

この不平等で不条理な世の中、根性論が全てだと信じている。



『うん、私だけを見ててね。』



そう、上手く笑えているはず。

あの呪術師は、警戒しなきゃならない。
等級など、所詮は他人が判断して決めつけているだけの評価。本当の真価など測れる数字ではないのだから。




『みんな、お待たせー!!』



私の登場と共に、湧き上がるのは待ちわびた人間共の歓迎の大歓声。

嗚呼、はやく滅ぼしてしまいたい。

勝手に運命を感じて、ここに来るためだけに必死こいて徳を積む。私に会うために、必死こいて自分を消費する。

可哀想な生き物たち。



『まずは1曲目〜!!みんな大好き「愛人形」、盛り上がっていこーね!!』



はやく、楽にしてあげなきゃ。
私が、みんなを救ってあげなきゃ。

誰かのために、自分を犠牲にしてしまう人間達に私なりの愛で示してあげるから。

哀れな存在に、アイある救済を。



『媒呪命捨』


出だしからぶっ放す、私の【穢れ】。私の負の感情。
この歌に乗せて、お前らを元の姿に戻してあげる。

ほら、呪霊がたくさん生まれたよ。

呪術師たちは気づけないよね。
私の計画のための、ブラフを客席に用意しているのだから。

だから、存分に受け取って。

これが私の【呪い(アイ)】だから。

呪霊とひとつになって、救われて欲しいの。





『心から言わせて、アイシテル♡』





ほら、負の感情に踊り狂えよ人間共。





____舞台袖



硝「……五条、夏油。」



護衛の3人とマネージャーである日下部は、遠くでも連携がとれるようインカムを支給されていた。



悟「なんでしょーか？呪霊のことでしょーか？」
傑「………硝子も気づいているようだね。」

硝「当たり前。客席の所々に、呪霊が目視出来る。舞台袖から見ても、何処から来てるのかはちょっとわかんない」



見回りをするように、2人も会場内の呪霊に向かって足を進めていた。



傑「……やっぱり、彼女の呪力の存在感が多少邪魔になってしまっているね。」
悟「…まぁな。でもさぁ、あの規格外の呪力をコントロールできるようにしてやればいんじゃね？」
傑「…まさか、彼女を高専に連れていく気かい？」




念の為問いかけてみる、その問に返事が無く悟の姿を捉えるために後ろを振り向く傑。

悟は、まさかの宙に浮いていたのだった。

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