Hush-Hush

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ジョンハンさんは彼にも「お疲れ様です」と軽く挨拶したあとエレベーターに乗ってた。


え、何この状況。


エレベーターの奥に彼、斜め右に私、その隣にジョンハンさん。世界で一番気まずいトライアングル。

さっきの気まずさなんて比にならないくらい気まずいんですけど？！外は氷点下だというのになんか変な汗かいてるんですかど？！


正直彼はジョンハンさんとの関係を知らないし、ジョンハンさんも彼との関係を知らないはずだし

勝手に1人で焦って気まずくなってるのは私だけなんだけど。


この状況を一刻も早く抜け出したい。











JH「今から帰んの？」


「はい」


JH「早いね」


「はい」











お願いだから話しかけてくれるなオーラを放出。

ジョンハンさんは私のことを見ているけど、私は前だけを見て「はい」の一言しか返さない。

ジョンハンさんは私がいつもと違う素振りを見せればすぐに異変に気づくはずだ。できるだけ平常心を.........保てるわけがない！


別に浮気しているわけでもないし、やましいことなど一切ないはずなのに動揺が半端じゃない。

何もしていないのに警察を見るとなぜか動揺するあの感じと一緒だ。











JH「.........なんか、変じゃない？」


「何がですか」


JH「"いつも"と違う」











やたらといつもが強調されたのは気のせいだろうか。

マフラー、そんなにキツく閉めてないのにすごく息苦しく感じるのも気のせいだろうか。

「普通ですよ」と返すと腑に落ちてないと言った「ふーん」が返された。


1分も経ってないはずなのに、やたらと長く感じた時間。

やっと1階に着いたのでボタンの前に居た私が開ボタンを押して、2人を先に降りるよう促す。











JH「さんきゅ、」


「ありがとう」











ジョンハンさんが先に降り、続けて彼が降りる。

彼が私に言ったその5文字に、ジョンハンさんがほんの少しだけ表情を変えたのが見えた。











JH「ねえ」


「はい」


JH「なんでありがとうございますじゃなくて、ありがとうなの？あの人うちのスタッフじゃないよね？入館証、来客用だったし」


「前に一緒に仕事してた時期があったので。それに彼、年上ですし」


JH「.........それだけ？」


「それだけ、じゃないですけど。ここで話す話ではないかと」


JH「そうだね。ってことで一緒に帰ろうか」











帰るというか、連行に近い気がするけど。





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