Hush-Hush

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仕事の打ち合わせよりも、ジョンハンさんとの話のほうが分量を取ってしまいそうだったので、なんとか軌道修正。

あの後はちゃんと仕事をした。当たり前だけど。











「お疲れ様でしたー」











一度事務所に戻り、メールチェックと返信を済ませる。


来週から数日ツアーに同行で忙しくなるけど、直前でバタバタするのは嫌なのでもうある程度の準備は終えている。

今週毎日定時で退勤。


この業界もホワイトに向かっていくべきだと定例ミーティングで言い続けた効果が出てきてるのかも？


デスクにちらほら居る同僚に挨拶をし、エレベーターが来るのを待つ。

待っている間にスマホを見ようかと思ったけど、見る暇もなくエレベーターが来た。











.........噂をすればなんとやら。

昼間ドギョムと話した、前に長く付き合っていた彼を乗せて来た。











「「あ、」」











見事にハモった心の声はそのまま言葉として発せられた。


会うのは別れた以来なので半年前ぶりくらいか。

同じ会社で働いているわけではないけど、取引先に勤めている彼がこうしてここに居るのは不自然なことではない。











「お疲れ様、です」


「お疲れ様」











エレベーターに乗らないのも変なので、軽く挨拶をして乗り込む。

ボタンを確認すると、1階がすでに押されていたので彼も帰るところだったんだろう。


アウターを着てマフラーを巻き、通勤用のバッグを持っている私は誰がどう見ても『今から退勤する人』でしかなくて。

ここで1階以外のボタンを押すのは不自然、というかあからさまに彼のことを避けていますと提示しているようなもの。





エレベーターという小さな箱に、今、世紀最大の気まずさが充満している。











「(せめて誰か乗ってきてくれないかな〜、出来れば仲良い社員さんで1階まで行ってほしいな〜)」











そんなことを心の中で思っていたら、7階でエレベーターが止まった。

仲良い社員さん来い！そして1階まで一緒に行ってくれ！と切なる願いでエレベーターのドアが開くのを見た。











「.........」


JH「あ、A」










そんな私の願いも虚しく。









「.........」


JH「お疲れ」


「.........お、疲れ様です」











なんか色々と、終わった。





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