Hush-Hush

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あれから数日。

ジョンハンさんと私の関係は、一言で言うと現状維持。


相変わらず気が狂いそうなほど忙しく働いている。

ワールドツアーは毎年恒例になりつつあり、世界中を飛び回る彼ら。

空港に行く機会も多く、メディアやファンが気にする空港ファッションは、想像以上にアーティストを悩ませることでもあって。











「やっぱり、思った通り」


JS「何が？」


「.........こっちの話です」













例によってシュアさんからコーディネートの相談を受けた。


衣装室でシュアさんの私物と、事務所で所持しているもの、私が所持しているのもを合わせてコーデを組む。

そしてどさくさに紛れてこの間脳内で着せ替えした、夢のコラボレーションを実現させる。





職権乱用ですとも。











JS「うーん、こっちのほうが僕っぽいかな？」


「シュアさんのイメージに合うのはこっちですけど、あんまりイメージ通りすぎてもファンはそそられませんよ」


JS「そ、そそる？笑」


「はい。私服はそそるもの！」


JS「へ、へぇ.........勉強になります」











シュアさんのような頭の先から爪の先まで、リッチで上品でジェントルマンの仮面を被ると大変だろうけど

でもずっとその仮面をつけたままではつまらない。


かといってイメージや路線が違いすぎるのも違う。

大切なのは、そのバランス。











「いいですか、シュアさんの場合はちょっとした抜け感が大事です」


JS「抜け感.........」


「すっごくお似合いですよね、このCELINEのマックコート。最高なんですけどね、ちょっと面白みにかけますよね。それにシュアさんならどうせ足元はPRADAのモノリスを履いちゃいそうだし？」


JS「えー、ダメ？」


「ダメ！全然そそらない！」











シュアさんは「また始まったよ、」と少々呆れ顔だけど、ちゃんと私の話を聞いてくれる。











「そこはローファーじゃなくて、コンバースのオールスターを合わせてください。スニーカーです！」


JS「な、なるほど」


「ローファーを履きたい気持ちはわかります。わかりますけどね？絶対にオールスターです。スニーカーでカジュアルダウンしながらも抜け感と上品さを演出してください」


JS「わ、かりました。先生」


「親近感がもてはやされている現代はね、ハイブランドはほどほどが鉄則です」











個人的にオールスターが好きなだけだろ？と言われたらそこまでなんだけどね。





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