Hush-Hush

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彼との契約結婚を提案されたのは数ヶ月前。

直属の上司に話があると呼ばれ、連れてこられたのは社長室。

完璧なキャリアと引き換えに、私はその提案に首を縦に振った。











_______________"あんた、覚悟出来てんの？"











彼が、

ジョンハンさんが、

私に言った言葉は、今もタトゥーのように胸に刻まれている。

私は何も、後悔していない。











「覚悟なんて、とっくの前から出来てますよ」


JH「.........」


「ジョンハンさんこそ、覚悟出来てるんですか？」


JH「.........舐めないでくれる？」











あのとき誓い合った私たちの覚悟とは、一体どんな覚悟だったのか。


思い返せばあの頃のジョンハンさんは色々限界だったはずだ。

契約結婚はあの頃ジョンハンさんに起こっていた、ある問題を解決するための秘策。


私はその駒になった。











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「ただいまー.........って、え！びっくりしたぁー！」


JH「.........1人なのにただいまって言うタイプなんだ」


「え、あ、はい.........って、え！ジョ、ジョンハンさん！なんで！」


JH「お疲れ」


「あ、お、お疲れ様です」











久しぶりに18時に退勤できた日。

最近会食続きだったのでちゃんと自炊をしようと思って買い物をして帰宅したら

リビングのソファーにジョンハンさんが座っていた。




事務所から徒歩10分のマンション。

業界人も多く住んでいるマンションなので、セキュリティ面も機能面も完璧。


一応夫婦なのでジョンハンさんと私の家らしいけど、実際に住んでるのは私だけ。

鍵は2人とも持ってるけど。











「え、どうしたんですか？というか初めてじゃないですか、この家にいらっしゃるの」


JH「ああ、」


「.........」


JH「.........」











部屋中に充満する、気まずい空気に息が詰まる。

なんだこれ、誰かどうにかしてほしい。

これじゃ、ディノくんに『不仲』と言われるのも無理ない。










JH「てか、いつまで立ってんの？」


「あ、いや、なんか」


JH「なんか？」


「なんでもないです。ちょっと手、洗ってきます」











私の定位置にジョンハンさんが座っていたから、行き場所をなくしていました！なんて口が裂けても言えない。





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