【安室透】零って呼ばれたい【男主】

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Side 安室透









いきなりだが、俺は自分がモテる顔つきをしていることは自負している。









だが、俺の恋人はそんな俺よりも遥かにモテる顔付きをしている。









何でこんな話になったかって？









今、その恋人が警視庁の前を女と腕を組みながら通ったのが見えたからだ。









いつもの事だ、さすがに慣れた。









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『おい、降谷さんピリついてないか？』









『嘘だろ。休憩中になにがあったんだよ。』









前言撤回しよう。









慣れるはずがない。嫌なものは嫌なのだ。









だからと言って、彼奴に俺以外といちゃつくのを止めてくれ。あわよくばく女と関わるのを止めてくれ。なんて言った暁には泣きを見ることになるだろう。









この関係に落ち着くことができたのも、俺がゴリ押ししたからなのだ。









其れに、彼奴の中で俺はあくまで安室透であって降谷零ではない。









素を知られて良い職業ではないから。というのは建前で、素の俺を知ってしまったら嫌われる気しかしないからである。









彼奴は元々ノンケだった。それを俺が無理やり恋人関係にしてしまったんだ。









そりゃ雄々しい降谷零ではなくて、多少可愛げのある安室透の方が、まだ抵抗感は少ないだろう。









「はぁ…」









なんてチキンなんだ、俺は。

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