バレッタ[与謝野晶子]

バレッタ１０ ページ10

「あの、どうして太宰さんが依頼を？」

変な髪形をした少年がきいた。

彼の髪形はわざとなのか？



「探偵社に来てもらうためだよ」


「どういうことだ、太宰」


「夏木さんはポートマフィアにさそわれてるのだよ。

ポートマフィアは無理やりでも夏木さんをポートマフィアにいれようとするだろう」


「そこまで、、」

「なぜだ」

「それは、夏木さんの異能力がほしからさ」

「危険な異能力なのか？」


「危険はあまりないよ。でもやっかいなのさ」

「やっかいとは？」


「私の異能力【人間失格】がきかないからさ」

「へっ？太宰さんの異能力がきかない？」


「そうなのだよ。実は私もよくわからないのだよ」

「そうですか」

話についていけない。

僕のことを言っているけれど僕の知らないことばかりだ。


「あのー」

「なんでしょう、夏木さん？」


「僕の異能力ってそんなに強いんですか？」


「強いとも。どんな異能力でも夏木さんには敵わないからね」

「そこまでとは思いませんでした」


自分のことなのに




僕は自分自身を何もわかっていない。


「一度、探偵社に来てみませんか？」


「そうだな。今回みたいなことがあっては助けることはできないからな」


「でも依頼は、」


「大丈夫。私がすでに社長に話をつけている」

「手がはやいな」


「いいんですか？」


「もちろんです。夏木さん次第ですよ」

僕、次第


「では、よろしくお願いします」



僕は探偵社に行くことにした。

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