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6. ページ39
『そうだね。俺も翔くんと桜見たいな』
心からの言葉だ。あの約束、もう一度やり直したい。今度は2人とも笑っていて、美しい桜と穏やかな時間を過ごしたい。そんな思いがあるから素直に口にした。
だが、俺は翔くんの言うその言葉の意味をそのまま捉えてしまった。奥底から込み上がっていた翔くんの気持ちを、俺は見つけることが出来なかった。言葉の意味も涙の訳も。
翔くんの方を見れば、優しく微笑んでいる。
今度こそ、今度こそだ。強く決意するような気持ちで俺は翔くんの手を取る。翔くんも軽く握り返してくれた。
『来年は絶対一緒に桜を見に行こうね』
「……うん、約束ね」
翔くんが笑ってくれた。まるで、花が咲いたかのように。
美しい、桜が咲いたみたいだった。
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作者名：フレンチ糖スト | 作成日時：2022年2月6日 21時
