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一枚の原稿用紙の裏に書かれたそれは、先輩達から先生へ贈られたメッセージ。
それを見た先生は、「アイツららしいな笑」と笑っていた。
笑っていたが、どこか寂しそうだった。
カシャ。
S「っ！泣いてないだろ。」
『先生があまりにも泣きそうな顔だったんで。』
S「泣いてないから、送んなよ。」
『えー？どうしよっかなー？』
S「おい笑」
__________________________
まもなく午前8時30分。
書けたソレを見直して先生の机の上へ置く。
ちょっと、ごちゃついてるからまた掃除しないとね。
先生は卒業式が終われば此処へ来る。
確信のない自信に満たされた私は座っていた椅子を元通りに直して鞄を持って国語研究室を出た。
ちゃんと気づきますように。
ちゃんと此処へ来ますように。
ちゃんと卒業式が終わりますように。
『私はまだ卒業してないよ』
それが伝わりますように。
先生が寂しくなりませんように。
スマホアプリの写真をスクロールするとあの時に撮った先生の写真がまだ残っている。
あの時結局、二宮先輩には送らなかった。
泣いてないから。
でも、優しい先生は見えない所で泣いたんだろうな、なんて思いながら着いた自分の教室のドアを開ける。
クラスメイト「あれ？珍しい、遅かったね。今日は卒業式だよ、忘れてたの笑？」
『失礼な、忘れてないよぅ。主役じゃないし、遅くても良いかなって。』
クラスメイト「いやいやダメでしょ笑笑」
朝には会わなかった先生が式中、どんな表情をしていたのか、私のアレを見た顔を見がてら報告してみようと思う。
今日はきっと、忙しくなるだろう。
14作目：「寂しげに咲く桜」
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フレンチ糖スト(プロフ) - 翠霞さん» こちらこそ、初めまして。嬉しいコメントありがとうございます。実は私も翠霞さんのお話を読ませていただいていまして、凄くお話の作りが上手いなぁといつも尊敬しながらお話を楽しませていただいています。私も陰ながら応援しています。 (2021年1月18日 18時) (
レス) id: ff01346260 (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 初めまして。いつもひそかにお話を読ませていただいております。フレンチ糖ストさんのお話が好きです。これからも応援しています。 (2021年1月17日 22時) (レス) id: c90e2b0ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フレンチ糖スト | 作成日時：2020年5月30日 20時
