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愛され小説の裏ってこんな感じなんだろうか。 ページ45

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待ってくれ。

整理をさせてくれ。

"雨宮は、きっと無理をしとる。"

"だからこそ。

雨宮に、俺が晴山を諦めるのを。

手伝って、欲しい。"

こいつも、私が色々と思い詰めてるのを
知っている。

だから、私に、銀島がハルを諦めるのを
手伝って欲しいと言った?

……待って。

角名くんのように、どうしてもハルを諦め
きれないから、手伝って欲しいというのなら
分かる。

それだったら、納得は出来ないけど理解して、
嗚呼、こいつもか、なんて落胆することも
出来ただろうに。

だけど。

こいつは。

銀島は。

いつも、ハルと話すときは笑顔を絶やさな
かったこいつが。

ハルを、諦めたいと言った……?

聞き間違い?な訳。

私が察する限り、銀島は相当ハルが好きで。

多分、好きの度合いで言ったら、1番に君臨
出来るくらいには、陰ながら莫大な好意を
潜めていたはずなのに。

「……もう一度聞かせて。
ハルを、諦めたいって?」

空を見ていた銀島は、私の言葉に足を止めて。
そして、空を見たまま言った。

「……せや。俺は、晴山への好きを、捨てたい」

嗚呼。

本心だけど、本心じゃない。

どうせ、ハルへの好きが大きすぎて。
重くなって。

その感情だけが、銀島をグイグイと強引に
引っ張って。

そして、苦しくなっただけ。

「……こっち見てよ。そんで、ちゃんとしっかり
言って。

あんたは、ハルを諦めたいの?」

「せやから、さっきから言うとるやろ。
俺は、ハルへの好きを捨てたい」

誤算だ。

今度はしっかりと、私の目を見て。

真剣に、嘘なんて感じさせないぐらいの眼差し
を向けてきた。

今度は、どっちだ。

嘘?本当?

これは……本当。

参ったな。これじゃ、こんなんじゃ、諦めるの
はまだ早いなんて言えない。

だって。

銀島が諦めた方が。
私は、助かるんだから。

「諦めて、ええんか?」

せめて、確認だけでもと。

「何をそんな、確かめる必要があるんや?
雨宮からしたら、はよ諦めてくれた方が
ええのは確かやろ」

嗚呼、ほら。

私の図星を。次々とついてくる。

「……諦めて欲しくない理由なんて、逆に
あるん?」

探るような瞳で、ジッと、私の目を見てくる
から。

嗚呼。

居心地が悪い。

諦めて欲しくない、理由?

そんなの、ある訳が無い。諦めてくれた方が、
私にとっては楽じゃないか。

なら、なんでこんなに躊躇う?

もしかして、私は……。



悲劇のヒロインぶりたいだけ?



いやいや、まさか。




鳥肌が、たつ。

カップラーメンってお湯沸かすのがめんどくさい。→←動き出した歯車は、もう止まらないほどに。



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作品ジャンル:恋愛
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- 人間の感情が素晴らしく良く表現されている作品だと感じました。幸せになる人の裏に不幸になる人がいる世界を上手すぎるくらいに表現されていて、読んで感動しました🥹 (10月24日 18時) (レス) @page50 id: f137f47347 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - なんというか・・・切ないですね。夢小説なのに夢を感じさせないところが好きです。ハルちゃんが誰かに愛されている裏で、雨宮ちゃんの心が抉られているって考えると居た堪れないっすねなんか (2023年3月23日 17時) (レス) @page50 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - バカ笑いと、何とかってやつで言いたいことがある。。北さんイケメン!?で、私はこうゆう女の子の逆ハーが雨宮(?)目線で見てまうからいっつも男主 (2022年9月29日 7時) (レス) @page32 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆな(プロフ) - 今まで愛され夢小説を見てきて私も作者さんと同様友達はどんなふうに思っているのか、不憫だなと現実にいたら私もきついかもです笑笑この小説を読んでいかに愛され小説が自分達だけの世界だったのかと思い知らされます、続きも全部読みました、とても感動しました! (2022年5月26日 21時) (レス) id: 047d519d35 (このIDを非表示/違反報告)
まくら - なんやろなぁ、小説特有の甘い感じじゃなくてちゃんと現実でのドロドロした、めんどくさい恋愛が書かれててほんまに凄いと思いました。続き、今から読ませていただきます。 (2022年4月27日 23時) (レス) @page50 id: c8a7cb4466 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お水。 | 作成日時:2019年1月1日 0時

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