検索窓
今日:115 hit、昨日:54 hit、合計:1,366,099 hit

表と裏は表裏一体どころの話じゃない。 ページ17

.

翌日の話。

相談しろとは言ったけども。

こうなるとは、思いもしなかったんです。

「なあ、雨宮ー」

「雨宮さん、晴山の好きなお菓子わかる?」

「雨宮、晴山のことなんだけど」

ハルと仲直りすらしていない今日この頃。
こんなに来られても、答えられないというか
なんというか。

でも。

いくらハルのことと言えど、頼ってもらえる
のは嬉しいというか、なんというか。

でも取り敢えず、謝るのは早くした方が良いと
思って、机に突っ伏してるハルに、話し
かける。

「ねえ、ハル」

「ん……A?」

「話したいこと、あるんだけど」

「っ、あ、うん。じゃあ、後でもええ?
放課後、あたりに」

なんでわざわざ放課後なん?
聞きそうになったけど、目を逸らすハルを
見て、口を噤む。

「分かった。じゃ、後で」

ちゃっちゃと仲直りして、早くハルと誰かを
くっつけてしまえ。

そうすれば、面倒くさくない。

ため息を吐いて、机に座る。
……嫌な予感とか、こういうのをいうん
だろうか。

昼休みも、もう終わりそうな時間。
突然、侑が、うちの机を叩いた。

「……なに、そんなおっかない顔して。
なんか、あったの」

無言の圧力。
まさにそんな感じ。

最近、何かをやらかしてしまったっけ。
……あ。

休み時間の、嫌な予感とかいうやつを思い
出して、ハルの方を向く。

でも、ハルはいなくて。

あれ、おかしい。この時間、普段ならハルは
もう座ってるのに。

「雨宮、お前、晴山の悪口言うたって、
ほんまか」

何かを抑えるように、グッと堪えながら、
私の目を見ずに言う。

けど確かに、声は低く、呻くような。

「……悪口?」

え、悪口?喧嘩した時のやつじゃなくて?
え、そんなの、いつも心の中に留めておいた
から、外に漏らしてるはずは……。

あ。

"まあ、ハルならしょうがないんじゃない?
今までそうなってなかったのが不幸中の幸い
的なやつ。"

"……まあ、そろそろうざったくはなって
くるよね。"

なんで?なんで、広まった?っていうか、
なんで、悪口で決定なの?

そんなに、悪い女に、見えますか?

「今日、晴山の調子が朝からおかしゅうて、
昼休みんとき、屋上の扉んとこで泣いとった
から、何があったか、聞いてみたんや。

そしたら、震えた声で、

"Aに、嫌われてた。"ってな。

全部聞いた。廊下の角で、お前が悪口言う
とったっていう話をしてる女子達の会話を
聞いたらしい」

また、あるあるストーリーですか?

笑えますね。

人の感情が見えたらええのに。→←ちょっとだけよー的なあれよな。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1651人がお気に入り
設定タグ:稲荷崎 , ハイキュー , HQ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 人間の感情が素晴らしく良く表現されている作品だと感じました。幸せになる人の裏に不幸になる人がいる世界を上手すぎるくらいに表現されていて、読んで感動しました🥹 (10月24日 18時) (レス) @page50 id: f137f47347 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - なんというか・・・切ないですね。夢小説なのに夢を感じさせないところが好きです。ハルちゃんが誰かに愛されている裏で、雨宮ちゃんの心が抉られているって考えると居た堪れないっすねなんか (2023年3月23日 17時) (レス) @page50 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - バカ笑いと、何とかってやつで言いたいことがある。。北さんイケメン!?で、私はこうゆう女の子の逆ハーが雨宮(?)目線で見てまうからいっつも男主 (2022年9月29日 7時) (レス) @page32 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆな(プロフ) - 今まで愛され夢小説を見てきて私も作者さんと同様友達はどんなふうに思っているのか、不憫だなと現実にいたら私もきついかもです笑笑この小説を読んでいかに愛され小説が自分達だけの世界だったのかと思い知らされます、続きも全部読みました、とても感動しました! (2022年5月26日 21時) (レス) id: 047d519d35 (このIDを非表示/違反報告)
まくら - なんやろなぁ、小説特有の甘い感じじゃなくてちゃんと現実でのドロドロした、めんどくさい恋愛が書かれててほんまに凄いと思いました。続き、今から読ませていただきます。 (2022年4月27日 23時) (レス) @page50 id: c8a7cb4466 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お水。 | 作成日時:2019年1月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。