【ヘタリア】あの日、あのとき【都道府県】

１５話 ページ16

12日、15日に中部で地震。


あまりにも東日本大震災の被害が大きすぎたので報道はあまりされなかった。


「宮城さん!」


『どうしたんですか?』


「福島第一原子力発電所が____」


レベル7。深刻な状況だ。


1985年に起きたソ連と同じように。


『う、そだぁ…冗談きついですよ?日本ですよ?あり得ませんよ。』


「本当に起きたんです!」


今、とても他の都道府県の安否が気になった。


短い時間でたくさんの命が失われる。


宮城は歴史上でも災害でも何度も経験してきた。


経験してきたはずなのに。


「宮城さん?」


『ごめ…さぁ、片付けましょう。あのときの景色をもう一度見たいですし。』


被害が少なかった街から来た人や、他県からもボランティアとして来てくれる。


身長がほられている柱。


落書きされている壁の一部。


必死に涙をこらえた。化身として素晴らしい姿でいれるよう、決めたのだ。



国民の前で泣き姿は見せない。


「宮城さーん手止まってる…あれ?」


声は噛み殺していた。でも泣いていることはわかったようだ。


「宮城さん、知ってますか?東北人ってじさつ率が高いんです。」


ボランティアが言う。悲しいランキングだ。


「その理由って東北人の県民性と繋がるんですって。真面目すぎて人に相談できなくて、
そのまま抱え込んで亡くなっちゃう。」


まさに、今の宮城がそうだ。人に心配をかけたくなくて隠れ泣きはいつものこと。



『…そうですよね。悲しくたって吐かないと。』


宮城は涙を拭いて立ち上がった。


少しでも早く。人が住めるようにしないとね。

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