【sm】透けた文字の向こう側【WT】

にじゅうなな ページ27

そうして普通の日常に戻ると同時に、なぜか周りの人間に俺の恋がバレていた。

「きんとき？」
「何もしてない」
「本当に？」
「本当」

こんなところで嘘をつくタイプではないとなんとなくわかっているので、きんときを責めるのはやめにして周りでにやつく奴らを睨みつける。

特に何もない昼休みに俺の机の周りに集まってくるくらいには興味があるらしい。

「スマイルが興味持つやつとかどんなやつだか気になるわ」
「教えないけど。てかどこで知った」
「あんなに図書館通ってたらまあ気づくよね〜」
「最近変な行動してる時とかあったし」

頭を抱えるしかなかった。そんなにわかりやすいなんて自分では全く気づいていなかった。

まだ相手がバレていないだけマシだとなんとか気を取り直して、また彼らを睨みつける。

「怖い顔やめよ〜スマイル〜」
「それな？俺らはスマイルの恋応援してるから」

そう言ったシャークんにがしりと肩を組まれる。絶対下心がある口調で眉間の皺が深くなった。

「スマイルなら大丈夫だろ。てか早く告れよ！」
「はぁ！？これ以上俺の周りにカップル増やすな！」
「きりやんは…まあ…」
「おい！！」


「告白…しなきゃ」


「え？」
「…ふーん。そんなに好きなんだぁ〜」
「いや、ちょ、まって」
「口を滑らせたら終わりだよスマイル。がんば」

お手上げの姿勢をしたきんときに見捨てられ、俺はみんなに囲まれることとなった。

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