ライトイエローは静かに燃ゆる ページ12
少し昔の話をしていこうか。
これはまだアッシュと過ごすようになって間もない頃の話だ。
その日はいつもと同じく、というか”NYに来てから日課になった“が正しいが公園のベンチに座って川のせせらぎを眺めていた。二羽の雀が仲良く落ち葉の上を駆け回り飛んでいく。
いつもと違ったのは後ろから足音が聞こえて来た事。いや、足音が聞こえるのはしょっちゅうだが“彼らしくない”と言えばいいのだろうか。
『…誰にやられた？』
「…」
『答えたくない？』
振り返ると口の端から血を流し服や髪は少し乱れ所々汚れていた。見るからに暴力を振るわれた後だった。翡翠の瞳は何も言わずに俺のライトイエローを見つめた。
『おいで』
「…」
ゆっくりと歩いてくる彼を見つめる。俺は深く座り直して目の前まで歩いてくるのをただただ見ていた。
両腕を広げてその細い体をこれでもかと抱き締めた。まだまだ抱きなれない様子のアッシュはそろそろと腕をあげてぎゅっと抱き返してくる。
『大丈夫…大丈夫』
背中をゆっくりと撫でてやると肩に顔を埋めてきた。俺は心臓の音が段々一定のリズムに落ち着いていくのを聞いていた。落ち着くと彼は少しこっ恥ずかしそうに離れて隣に腰掛けた。
「ベビーシッターでもしてたの？」
『いいや、どうして？』
「落ち着く」
何が、とは言わなかったが多分背中を撫でてやった事のだろう。可愛い奴めと思いながら肩に腕を回して抱き寄せた。
『知ってるか？そういうの包容力って言うんだぜ』
「なんか雰囲気台無し」
『残念だ』
「残念に思うのは俺だよ」
これはアッシュが初めて俺に“落ち着く”と言ってくれた日の思い出だ。
そして、彼が初めて弱い自分を曝け出してくれた日の事でもある。
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ゆうな(プロフ) - 花帆さん» こんばんわ〜！どういたしましてです！！こちらこそ楽しんで解説書けたのでコメント嬉しい限りです。これからもまた話数が埋まるまで気分で短編を書くので温かく見守って下さると嬉しいです (2019年5月30日 22時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - こんばんは、解説どうもありがとうございます！ 気になっていた裏話がお聞きできて、よりお話の繋がりが分かって良かったです♪ 夢主さんとアッシュにときめけて、ラストもハッピーエンドで感謝です(*´ω｀*) (2019年5月30日 22時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます！イチャイチャシーンはにやにやしながら書いてました笑そう言ってもらえて嬉しいです！！ふっふっふショーターはどうしても出したかったので出しました！それでは少し解説を書かせて頂きますので更新待ってて下さい！ (2019年4月7日 9時) (レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 英語のタイトルの意味も考えつつ読めたのも良かったです！ ラストの写真…ショーターあああ！！ってなりました(´ﾉω；`) (2019年4月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございます！アッシュが甘える様子やイチャつくシーンもドキドキして面白かったです！！最後まで目が離せませんでした！！ ライトイエロー〜夢主さんが目を覚ますまでのアッシュたちの様子や、死んだことにしていた理由が気になります…！ (2019年4月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2019年3月5日 23時
