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「9区と10区はもうダメだぜ。ここの4つのビルは奴らに占拠されちまった。1区の北域は今シンが応戦してる。でも形勢はえらい不利だぜ、あの様子じゃ持ちこたえて精々一時間だと思う…兎に角奴らの勢いがすげぇんだ」
「…奴らも本気だな。お遊び気分じゃない、本気で俺達を皆殺しにする気だ」
「ケインが戻ったぞ！」
しんと静まり返り緊迫していた空気がケインの仲間の一言で一気に壊れる。ぞろぞろと部屋に入ってくるケインらを見つめ状況報告を待つ。
「西は一旦引き上げた様だがまだいつ襲ってくるか分からねえ。向こうにもダメージを与えたがこっちもやられた。数じゃこっちが勝っても戦力じゃどうしても差がついちまう。こればっかは仕方がねえな」
「シンを呼び戻せ」
「！」
「7区で合流すると伝えろ」
ケインが無線でシンに連絡を取っている間俺達はまた地図を囲ってアッシュにこれからどう移動するのかの説明を受ける。チーム分けもされそれぞれのリーダーにだけルートが教えられた。
「…７区のこのビルから第1班は水路沿いにイースト・リバーの排水口へ抜ける。3区・4区のグループはこのビルの屋上から屋根伝いに脱出する」
桝目に区切られた地図の上をアッシュの人差し指が行ったり来たりする。
「街へ抜ける事が出来ても警官には呉々も注意しろ。市警はゴルツィネの息がかかってる。捕まったら結果は同じだ」
「前門の狼後門の虎ってわけね。でも逆に待ち伏せされたらどうするの？水路や屋上じゃ逃げ場が無いわ」
「この排水口は俺達の中でもごく一部しか知らない、屋上のルートもな。もしそんなことになったら俺達の中に裏切者が居るって事だ」
考えたくもないな、この状況で裏切者だなんて。修羅場間違いなしだ。でもこんな人数で今まで裏切者が出てないって事はボスの統率力が良いって事だな。少し微笑ましいよ。
「残った俺達はここに踏み留まって応戦する。敵を出来るだけ引き付けて2区北から撤退する」
「ちょ、ちょっと待ってよ！それじゃあこの地区でアンブッシュされる可能性があるわ。だって彼らは北西を塞いで東のビル群を囲むように進攻して来てるわけでしょ？」
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
