死に口付けを ページ31
怒鳴り声にも似た喧嘩の声で目が覚めた。とても胸糞の悪い目覚しにイライラする頭をかきながら起き上がる。
『うるせえな…痴話喧嘩なら他所でやってくれよ』
「あら、あんたも居たのね」
『悪かったな俺も居て』
空気が不穏になりかけた時ケインが戻ってきた。
「アッシュ、ルートを確保したぜ。今のところ奴らの姿はねえ。動くんなら今だ」
「よし分かった。グループ分けをしよう」
「！？移動するのか？」
「奴らって？」
そう問うジェシカは銃を構えたアレックスらに心底驚いた顔をした。マックスの奴本当に何も言ってないんだな。マイケルを人に預けて来ちゃう位だもんな、どうかしてるぜ。
「悪いがポーターはいない。荷物は最小限にして自分で持てよおばさん」
「ねえちょっと奴らっていったい何よ！？」
「いいから！歩きながら説明してやるよ」
俺らは元々荷物は整理していたので身軽だからジェシカを待つ時間が出来ると思ったが彼女も彼女で考えて来ていたらしい。もう出発出来る状態だ。俺達は静かに今いるたてもの後にした。
ついた場所はさっき居た場所よりも更にぼろい廃れた何かの跡地だ。アッシュらが通信を聞いている間俺は一人で火を起こしてパチパチと燃えるそれをただ眺めていた。
「A、こんな所にいたのか」
『ああ、どうだった？』
「駄目だ、暗号をどんどん変えてやがる。もうゲリラ戦で行くしかない。それよりここでコンピュータを弄りたいんだ、木箱運ぶの手伝ってよ」
『いいよ。ついでに毛布も貰ってこよう』
二往復して木箱を3つと毛布、それからアッシュの使うコンピュータと紙を何枚かと鉛筆を持ってきた。アッシュがそれぞれを好きな位置に配置している間に水の入ったコップを持ってきてそれを渡した。
「サンキュ」
『ん』
アッシュの微笑んだ顔は炎の揺らめきで影が出来たり消えたりしていた。翡翠の瞳が闇に飲み込まれてしまいそうに儚く光っている。
「どうした？」
『何でもない。それよりあんまり根詰め過ぎるなよ。ブルーライトは目に悪い』
「分かったよ。もう寝るの？今日は寝てばっかだな」
『もう歳かもしれない』
「ぶっ…Aがおっさんならマックスなんてクソジジイじゃねえか！」
そう言って爆笑するアッシュをぎゅっと抱き締めて床に敷いてある毛布にくるまって寝転んだ。アッシュが俺の顔の横にしゃがむ。
「おやすみ」
『おやすみ』
そしてキスをした。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
