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暫く走ると漸く追手も居なくなった。ケインらを先頭に臭い道をゾロゾロと歩いて行く。
「ここはどの辺かな」
「そうだな…丁度セントラル・パークに差し掛かった辺りか。ここからなら西側の出口が一番近いぜ」
「…」
黙りこくってるアッシュをケインが呼び掛けると少し驚いたように顔をあげた。心配するも大丈夫だと言い張るアッシュにケインはもう一度説明をした。
「西へ行くんならこっちの道だぜ」
「いや…こっちはよそう。こんな狭い道ではもし挟み討ちにあったらひとたまりもない。これより他に出口はあるか？」
「イースト・リバーかな。もう少し先にイースト・リバーへ向かう分岐点があるんだ」
「分岐点…」
俺はじっとアッシュを凝視した。これはどう見ても体調悪いのを我慢している、こんな状況だしボスとして仕切っている以上弱ってる所を見せられないのかもしれないが心配なものは心配だ。
「もし伏兵を潜ませるとしたらおそらくそこだな…」
「伏兵？まさか…こっちでも待ち伏せしてるってのか？」
「…」
俺は数歩後ろに下がり英二の隣に並んだ。そして少し屈んで英二の耳もとに顔を寄せて小さな声で喋りかけた。
『英二、またお前に頼み事だ』
「なに？」
『ここで俺がアッシュから離れる事があったらその時は任せたぞ』
「…分かったよ、彼を守ればいいんだね？」
『自分の身もしっかり守れよ』
お互いに頷きあって何事もなかったかの様に振る舞う。その瞬間アッシュが振り返りシンに後ろの様子を聞いた。俺も後ろを振り返ってシンを見た。
「今ンとこ気配らしいのはねぇぜ！」
それを聞き一同また前を向きゆっくりと歩き出した。心なしか歩く速度が遅くなったアッシュの横に並び背中を擦る。
『どうしてそこまで体調が悪い？何があった』
「……ここひと月ばかりものが食えなくて殆ど水と点滴だけだったんだ」
一瞬背中を擦っていた手が止まった。それからアッシュが情けねえ話だと言うのを聞いてまた手を動かした。
『…あの時選択を見誤ったかな』
「え？」
『いや、こっちの話さ…』
撫でるのをやめ肩を抱く。腕を優しく撫でていると肩に頭を乗せ右腕は腰に回された。
そのまま暫く無言で歩き少し空間が明るくなってきた所でどちらともなく離れた。俺は少し歩調を緩めアッシュから離れてシン達の方へと歩いて行った。英二がアッシュの傍に寄ったのを見て少し安堵を覚えた。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
