008 ページ48
「悪いなシン…俺は…どうしてもこいつとはやっていけねえ。俺はこいつだけは認める事が出来ねえ…！」
じゃあな、と呟いてラオは避けてく人の間をツカツカと歩いて行った。それを止めに入った仲間にシンが喝を入れてこう付け加えた。
「今後ラオ・イェン・タイは…俺達とは何の関係もない無関係なよそ者だ！」
「…ありがたいぜ」
今度こそラオは退室した。最後までラオの方を見なかったシンは扉が閉まると詰めていた息を吐き出した様に少し緊張が和らいだ。
「…すまなかったアッシュ。で………あんたの返事は？」
「…承知した」
アッシュの返事に驚いた周りの奴らはざわざわとざわめいた。
「…」
「ありがとう…アッシュ。救出作戦には全面的に協力する、俺の命を掛けて」
その後チャイニーズらが退室するとケインの仲間もリンクスのメンバーもちらほらと退室し始めた。アッシュも席を立ち隣の部屋へと行ってしまった。
「行かないのかい？」
『まずはお前が行ってきてやれよケイン。何か言いたい事があったんだろう？』
ケインは暫く俺を見つめていたが俺が銃の手入れを始めるとアッシュの入っていった部屋に行ってしまった。
５分経ったか経たないかの間にケインは戻ってきた。俺は銃を懐に仕舞いバタン！と閉められたドアをゆっくり開けて中へ入った。
アッシュは窓枠に項垂れて泣いていた。俺は横に座りそっと肩を抱いた。するとすがり付く様に抱き返され肩に顔を埋められた。
「俺のせいだ…」
『お前のせいじゃない。アッシュは何も悪くないよ』
「英二を傷つけちまった…」
『そのセリフを英二が聞いたら呆れて笑うぞ。そして俺と同じ事を言うだろうな、君は何も悪くないって』
いつもの様に背中をリズム良く叩いてやる。18のガキになんて物背負わせるんだ、と酷く感傷的になるが同情なんか真っ平ごめんだろうからこの考えは頭から振り払った。俺だって同情されるのはごめんだからな。
「…ありがとう、もう大丈夫」
『えー俺が大丈夫じゃない』
「ぐえっ…首！首締まってる！！」
ぎゅっと抑え込むとじたばたと暴れるアッシュ。傷口に障るといけないからパッと離してやるとそのまま押し倒された。
「やっぱ俺も大丈夫じゃないからキスの刑だ」
『はっは、どんとこい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
