005 ページ16
「季家の連中のやり方は陰湿で残酷だ。奴ら捕虜をすぐには殺さない。拷問してさんざん苦しめて…なぶり殺しにするんだ。見せしめの為にね」
部屋の前まで行くとシンがそう言ってるのが聞こえた。英二が何とも言えない顔でそれを見つめていた。俺らは気配を消したまま部屋に入り壁にもたれ掛かる。
「悲鳴が漏れない為にはどうすればいい？誰の目にも触れずに犠牲者を始末できるところ」
『銃声や悲鳴なんかを誤魔化す事ができる場所…なんかないのか？』
「あ…！縫製工場だ！」
ヒントを与えるとすぐにピンと来たようで体をパソコンの前に戻し弄り始めた。
「この辺りに親会社が季グループのテントの縫製工場があるんだ。工業用ミシンが1日中動いててすっげぇうるせーんだよ。ほら、これだよ確か地下倉庫があったはずだぜ」
「…これか。…成る程うまい場所だな」
画面を覗きこんだアッシュはそう呟いてから向こうへ行ってしまった。大方指示を仰ぎに行ったに違いない。
俺は机にもたれ掛かりシンをじっと見つめる。
『調子はどうだ？』
「お陰様で。あんたは？」
『バッチリだよ』
挑戦的な笑みを浮かべたシンに俺は余裕のある笑みで返す。指示を出し終えたアッシュが帰ってきたのでそこで視線を反らした。
「今チャイナ・タウンに二人送った。そいつらが帰ってきたら作戦会議だ」
『ん』
「了解」
「じゃあテーブルと椅子を用意しておこう。誰か広い部屋に運ぶの手伝ってくれない？」
「俺が行くよ」
シンが英二と部屋を出ていく。俺はシンが座っていた場所に座ってチャイナ・タウンの地図を閉じN.Y.の地図を開く。そして親父の出没地点をリストアップして紙に写しそれを囲ってある程度の場所を絞る。
「何してるんだ？」
『んー、狩り場の絞り込み』
俺の予測が正しければ親父は今N.Y.の地形を頭に叩き込んでいるに違いない。ならば今は地の利がきく俺らが有利でありこのタイミングで叩くのが一番良いのだが俺は取り引きをするときは対等な奴としかしない主義なんだ。
「狼狩りか…」
あいつは俺の命を、俺は過去の怨念を消し去る事。それが今回の取り引き内容だ。報酬は過去との決別若しくは
『今は自分の心配してな』
「…魔法は、存在するんだよな」
『ああ、するとも。忘れるなよ、』
「純粋な信じる心、だろ？」
『その通り』
小さく笑ってどちらともなくキスをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
