番外編 モブ子の物語2 ページ47
*
―――A=ベリーアー。
ハンターハンターの登場キャラクターの1人で、多くの顔を持つ美女だ。
ファンの間では、「新キャラが10人居たら、そのうちの1人はAだと思え」、とまで言われる程によく顔を変えるので、よく読者を疑心暗鬼にさせるキャラでもある。
普段の鋭く隙のないイメージと、薬や催眠が弱点であったり、何かとたまに危なっかしい所のギャップにやられるファンも多かった。
なんなら私も、その1人である。
え、今好きなキャラが目の前に居るんですか。本物ですか。触っちゃっても良いですかね。それで殺されるなら本望―――……
「私に、何かあるの?」
嘘でしょ、話しかけられた!?
私はパニックになった。声が裏返る。
「えっっ……あっっ……イヤッ……別に……あの……」
「すごく見てきてたけど……何かあった?」
「ヤ、その……綺麗だから、つい……」
嘘は言ってない。
「ふうん。私の事、知ってるみたいな反応だったから、怪しくなって聞いちゃった。ごめんね」
「あっっいえ……全ぜ……」
「そもそも、どうせここに居る人はみーんな口封じに殺すんだから、聞いたって意味も無いのにね」
ごめんなさいね、と妖しく笑った彼女は、既に「ダスティ」の雰囲気では無くなっていた。
私達は彼女の状態を、「ネイビーモード」や「ダスティモード」として分類して呼んでいたが、今の彼女は、「ダスティモード」では無い。いわゆる「素A」状態だ。
……って、あれ。今Aちゃん、ここに居る人みんな殺すって言った?
サッて手かざしてる。何してんだろう。
あ、そっか、念能力だ。普段、漫画では当たり前に見えてるけど、そもそも私は一般人だから、念は見えないんだ。
てことは、武器を
―――え、待って殺すつもりなの!?!?
「さよなら」
次の朝、私は普通に自室の布団の上で目を覚ました。
なんだ夢か、と思ったが、顔を洗って鏡を見ると、ちょうどナイフが刺さったような形の痣が、額に残っている。
―――ぞくり。背中を冷たいものが走る。
イルミの缶バッジと隣り合わせにして置いていた、Aちゃんの缶バッジ。青ざめる私を嘲笑うかのように、からり、と彼女が音を立てた。
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わっし - イルミとの絡みも過去編?も凄い好きです…!武器を自由に操れる…武器の威力も操れる…ってコト?! (1月3日 0時) (レス) @page43 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - Asaちゃんさん» コメントありがとうございます。イルミとの関係性は自分でも気に入っている部分なので、そこを肯定して頂けて、すごく嬉しく思います……!! この気持ちでこれから先、更新頑張ります! (2021年5月29日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
Asaちゃん(プロフ) - やばい、イルミとの絡み方がすごく好き!更新楽しみにしています^ - ^ (2021年5月28日 7時) (レス) id: 245967808e (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - ダチュラさん» そう言って頂けてとても嬉しいです……!!調子に乗って、連日更新してしまいました笑。閲覧、暖かいコメント、ありがとうございます! (2021年5月28日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!続き気になる……!!更新待っています!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ。 | 作成日時:2021年5月22日 0時