2章12話 シビア大女優 ページ41
ちょっと爪剥ぎますご注意ください
*
「許されないわ。舞台上で“役”を“捨てる”なんて。許されない、許されない許されないわ。貴女がやった罪の重さを教えてあげる」
そう言うや否や、Aはターナの長く綺麗な爪の先を掴み、そのままバリ、と音を立てて引き剥がした。
「ぎっ、あ゛あ゛あ゛ァ゛ッッッ!!!」
泣き叫ぶターナにはお構い無しに、ルルリは次の爪に手を掛ける。
「や゛っや゛べでっ!!! ごべっ、ごめんなザッ……あ゛ァあ゛ァァァッ!!!」
「私もね、何歳の時だったかしら。1度もう演技がしたくなくて、舞台上から逃げた事があるの。その時はお母さんもカンカンだったわ。
私の逃亡を許した警備員の爪を全て剥いで、私の爪も剥がしては治して剥がしては治しての繰り返しだったもの。
あの時からずっとそれがトラウマでね、舞台の上では“自分”に戻れなくなっちゃった。まぁ、だから貴女が馬鹿な事をした時にも難なく対処できたんだけど。
貴女は良いわよね、こうしてトラウマになったら、“自分”に戻れなくなることじゃなくて、“舞台”に戻らなくなる事を選べるんだから。
私、そんな自由が無いのよ。だから羨ましいったらないわ」
Aの家のシビアさと格の違いを感じる事を語られつつも、ターナはとうとう両手全ての爪を剥がされる。
汚い声でずっと泣き声を上げ続ける彼女の顔に、すっかり冷めたコーヒーをぶちまけたAは、何事も無かったような顔で言った。
「さて、それじゃあ私は帰るわね。家で家族が待ってるの」
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わっし - イルミとの絡みも過去編?も凄い好きです…!武器を自由に操れる…武器の威力も操れる…ってコト?! (1月3日 0時) (レス) @page43 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - Asaちゃんさん» コメントありがとうございます。イルミとの関係性は自分でも気に入っている部分なので、そこを肯定して頂けて、すごく嬉しく思います……!! この気持ちでこれから先、更新頑張ります! (2021年5月29日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
Asaちゃん(プロフ) - やばい、イルミとの絡み方がすごく好き!更新楽しみにしています^ - ^ (2021年5月28日 7時) (レス) id: 245967808e (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - ダチュラさん» そう言って頂けてとても嬉しいです……!!調子に乗って、連日更新してしまいました笑。閲覧、暖かいコメント、ありがとうございます! (2021年5月28日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!続き気になる……!!更新待っています!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ。 | 作成日時:2021年5月22日 0時