2章3話 情緒の高い壁 ページ32
それに、特徴的なネイビーブルーの髪とラベンダーの瞳は、まさしく自分が探していた、A＝ベリーアーという少女と一致する。
｢その状態で、近接戦闘を自分から挑むのは良くないんじゃない？｣
｢……そうね、学習した。毒が効いてると思って、少し安易に行動しすぎたの｣
真っ先に救援者らしからぬ発言をしてしまったイルミだが、彼女──Aは、平然とした態度で言葉を返す。
齢7歳の男女の会話には聞こえないが、暗殺1家長男とマフィアと女優の娘では、一般的な情緒の壁は越えられなかったのだ。
イルミはふと、ここに来るまでに、少しの擦り傷で泣いていた少女を思い出す。
その後で、ちぎれカけの左足を何事もないように扱っている目の前の少女を見ると、やはりどこか異質な気がした。
｢……早く殺さないの？ それか拷問｣
イルミが不思議そうに考え込んでいると、当の少女が諦めたように言った。そう思われたのなら不本意だな、とイルミは否定の言葉を口にする。
｢オレ助けに来た側なんだけど｣
｢……そうなの？ じゃあ運んで。痛くて歩きたくないの｣
(そりゃあ、お前の左足、1部はほぼ骨すら危ういからね。オレ絶対こんな怪我したくないし)
｢良いけど、俵担ぎだよ。片手空けときたいから｣
｢できるの？｣
｢余裕だよ｣
訝しげにするAをとっとと担いで部屋を出る。肩の後ろで、
｢痛い、足取れる｣
とか、何とか聞こえたが、取れたら取れたで問題無いし、この損傷なら寧ろ取る事になるのでは、と思った。
しかし、流石にそれを口に出すほど、まだイルミは残酷ではなかった。たまに襲いかかってくる襲撃者を片手で倒しながら、イルミは会場の裏口へと足を進める。
｢なんでそんな事になったの？｣
ずっと疑問に思っていた事を尋ねる。仮にも、あのベリーアー家の娘である少女が、何故足をちぎれかけさせているのか。
すると、Aの雰囲気が、心做しか不機嫌そうになった。
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わっし - イルミとの絡みも過去編?も凄い好きです…！武器を自由に操れる…武器の威力も操れる…ってコト？！ (1月3日 0時) (
レス) @page43 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - Asaちゃんさん» コメントありがとうございます。イルミとの関係性は自分でも気に入っている部分なので、そこを肯定して頂けて、すごく嬉しく思います……！！ この気持ちでこれから先、更新頑張ります！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
Asaちゃん(プロフ) - やばい、イルミとの絡み方がすごく好き！更新楽しみにしています^ - ^ (2021年5月28日 7時) (レス) id: 245967808e (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - ダチュラさん» そう言って頂けてとても嬉しいです……！！調子に乗って、連日更新してしまいました笑。閲覧、暖かいコメント、ありがとうございます！ (2021年5月28日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!！続き気になる……！！更新待っています！！ (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あめ。 | 作成日時：2021年5月22日 0時
