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1章15話 別名、性悪の道 ページ16

「……」


 最初の意地悪問題によって、“かなり難易度の高い道”を選ばされた事は分かっていた。

 それにしても、4時間散々罠と格闘させた後で、さてここからが本番です、みたいな貼り紙をされると何だか腹が立つ。

 しかも、さっきもほとんどは私が罠を発動させる担当だったし。


───この先の道では様々な催眠ガスが流れます。どれも生命に影響を与える物ではなく、次の試験にも支障はきたしません。

 ガスを防げるガスマスクは1つのみです。先の中間ポイントまで、2人で来てください。


(……あぁ、なんだ、そんな事?)


「はい。早く行くよ」


 イルミにガスマスクを投げ渡され、私はとっととそれを着けて先の道へと足を踏み出す。

 その流れで外した伊達眼鏡をポシェットに突っ込みながら、私は天下のゾルディック家長男サマが一緒で良かったー、と、心から思った。

 片方が毒全般に耐性があったからこうも穏便に済んだが、もし2人ともガスマスクが必要だったら、下手したら血みどろの争いだ。

 相手がガスに侵された自分を運んでくれる、という“信頼”が必要とされる道。

 事実、プロハンターになって急な相手と合同で何かをこなす時、こういった事も起こり得るんだろう。

 ちなみに、長くなりそうだと判断したイルミは針を外して変装を解いていた。

 確かに“2人”と明記されているこの道でキルアに遭遇する確率はほぼゼロなので、少し気を抜くには良いタイミングかもしれない。

 前に針で顔を変えていた時、ツラいとか何とか言ってたし。


「うわ、キツ……」


「それ着けてるのに?」


「完全には除去できない有害物質がモロに効いてるのよ」


「へー」


 ガスマスクを着けていても、睡眠ガスで眠くなってくるようなどうしようもない身体だ。

 一方のイルミは致死毒が常に食事に入っているような家の人間なのでやはり私の事はあまり理解できないのか、聞いておいてその返事は適当だった。

 言っておくと私にも彼の事は全く理解できない。

1章16話 役割分担→←1章14話 短気な少女



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わっし - イルミとの絡みも過去編?も凄い好きです…!武器を自由に操れる…武器の威力も操れる…ってコト?! (1月3日 0時) (レス) @page43 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - Asaちゃんさん» コメントありがとうございます。イルミとの関係性は自分でも気に入っている部分なので、そこを肯定して頂けて、すごく嬉しく思います……!! この気持ちでこれから先、更新頑張ります! (2021年5月29日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
Asaちゃん(プロフ) - やばい、イルミとの絡み方がすごく好き!更新楽しみにしています^ - ^ (2021年5月28日 7時) (レス) id: 245967808e (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - ダチュラさん» そう言って頂けてとても嬉しいです……!!調子に乗って、連日更新してしまいました笑。閲覧、暖かいコメント、ありがとうございます! (2021年5月28日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!続き気になる……!!更新待っています!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめ。 | 作成日時:2021年5月22日 0時

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