・.°**初恋 II **°.・ ページ5
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「ありがとうございました…」
バスは,大翔が運転手に声をかけるとすぐに止まった.そして,その女の人が乗り込んできて,席で外を眺める大翔にその女の人はお礼を言ってきた.
「いえ...お節介でしたらすみません」
控え目に言う大翔に対して,女の人は積極的に話してきた.
「そんな〜.お節介だなんて.あ,ねぇ,隣座っていい?」
他に空いている席はある.なのに,彼女は大翔の隣の席に座ってきた.
彼女と僕は全く反対の性格だと大翔は思った.
いつも,積極的に行動したいと思っている.だけど,相手が迷惑だったらどうしよう...などと余計な事を考えてしまう性格の大翔には憧れといっても良い程の性格だった.
「これからどこへ行くの?」
彼女は,こちらに身を寄せて聞いてきた.
大翔は,女の人とここまでくっついた事がなかったので意識していなくても,顔が赤くなってくる.
「えっと…大学です」
緊張気味に答える大翔に対して,彼女はパッと顔を輝かせた.
「へ〜!実は私も大学生なんだ!」
彼女には,大学生とは思えない程の無邪気さがある.
しかし,大学生がこんな所に何をしに来たのか.もしくは,実は大翔と同じ大学で気付かなかったのか.
大翔は考えて込んでいた.
「何を難しい顔してるの?」
大翔は彼女の問いかけにも反応しなかった.
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2018.1.2
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作者名:涼。 | 作成日時:2018年1月1日 14時