【短編集】 世界は気まぐれで出来ている 【H×H】

お酒にまつわるはなし2 ページ16

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ここまではよかったのだ。
それは常連の酔っ払いが肩を組んできた時だった。

「おめえらぁ〜！若えもんがシケたツラしてどうしたよ〜！おら！もっと飲めや！」
「ちょっと〜！未成年はダメです〜！」
「んなこと言うなって〜Aちゃ〜ん！」
「そうだぞA！今日は無礼講だぁ〜！」
「おいレオリオてめえも未成年者だろうが」
「俺は19だからもう成人してるぜ！この国じゃあ16で成人だかんな！」

「まじ！？！？」

と私が驚いている時だった。かねてから酒を飲みたがっていたゴンとキルアがここぞとばかりに周りの酔っ払いから酒を貰い、ぐびぐびと飲んでしまった。

「ちょっと！こら！吐き出しなさい！」
「へ〜へへ〜やだよーっだ！」
「ゴンの反抗！珍しい！かわいい！でもダメ！！」
「なーAー？俺たちと一緒に飲もうぜ？」
「キルアがかわいい！上目遣い！でもやっぱダメ！」
「「Aおねーちゃん...」」
「どんどん飲め」
「ちょろい」

もうちょろくてもなんでもいい。幸せである。
そういえば唯一の良心であるクラピカはどうしたのだろう。いつもなら先に叱ってくれるはずだが...。

不思議に思って金髪を探していたら、近くで誰かがぐすぐすと泣いている声がした。

「っ...ぐすっ.....なんでいつも私ばっかり....」
「どうかされました？ってクラピカ！？」
「Aなら分かってくれるだろう！？私の苦しみを！」

しまった。こいつ泣き上戸か。
でも仕方のないことなのかもしれない。

「どうしていつも私がツッコまなければならないんだ！」

前言撤回。全然いくない。

「え！？そっち！？そっちなの？！」
「私は同性愛者ではない！」
「いやそういう意味じゃない！」

これは大変なことになってきたぞ。
よく見ると周りは酔っ払いばかり。既に生まれたときの格好に近い奴もいる。
これはやばい。

「ちょっと〜！マグナさーん！
あれ？どこだ？」
「マスターなら妙齢の奥方と仲よさそうに話しているのを見たっきりだよ」
「お盛んですね！？！？」
「そういうAちゃんはイイ人いないの〜？ほら！あの4人のうちの誰かとか！」
「チェンジで」

即答だ。未成年に手を出すのはありえない。
レオリオなぞ論外だ。


「A！チェンジはないだろう！」
「またクラピカ！？ていうか友達の誰かを性的な目で見るなんて友達として最低じゃないか！」
「キルア」
「心が痛い...」
「ゴン」
「私はなんて最低な友達なんだ！」



続きます

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