カイト【野生な彼女は】 ページ46
「カイト!!来てくれたんだ!!」
「久しぶりだな」
「うん！ゆっくりしていって！」
森の奥に住むAを仕事ついでに訪ねてみた。
相変わらずここら辺で生活しているらしい。
「ジャスミンティー飲める？」
「あぁ、悪いな」
洒落たカップにお茶を持ってきてくれる。お茶の葉は自分で採ってくるらしく香りが強い。
「んー、いい匂い」
「そうだな」
ほとんど野生児なA....と言っても髪はちゃんと梳いてあり、服にも気を使っている。
普段から添加物らしい添加物を取っていない為、健康そのものだ。
「肌綺麗だな....」
「そー？
カイトも使う？熊の油」
「俺はいいかな、アレは犬に吠えられるから」
「確かにww」
そう、笑いながらお茶を飲んでいるとAがこちらを凝視しているのに気がついた。
普段からいろんな物をじっと見ているAにとっては珍しいことでもないのかもしれないが、やはり気になる。
「どうした？」
「ちょっとすいません」
あぐらをかく俺の膝の上に乗ってきたかと思うと、クンッとにおいをかがれた。
「�凜�?! 何を?!」
「んー」
返ってきたのは見事な生返事だった。
多分話をする気は無いのだろう。
こちらとしては汗だとか土だとか、そういうのの匂いが気になってしまう。なんせこんな奥地だ、来るまでにそれなりに時間がかかった。
「A....!!
ちょっと、待ってくれ...!!」
「はい？」
鼻を近付けるのをやめたかと思えば、今度はおでこをすり付けてきた。
「いきなりどうしたんだ?////」
「え？ちょっとマークを...」
「マーク？」
「匂いをつけようと思って.....」
「どうしてそんなことを？」
「だってカイトはみんなにモテるから....」
「みんな？」
「そー、みんなカイトのこと狙ってるんだよ」
「狙ってる？」
狙われてるなんて初知りなんだが←
「あっそーだ、人ってこーするらしいね」
「人.....？」
すこし怪訝な顔をして考えてみると今からAがやろうとしている事を悟って焦るが、それよりも先に首に息がかかった。
まずい.....!!
遅かった!!
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作者名：安田 | 作成日時：2013年3月26日 23時
